コリーニ事件の作品情報・感想・評価

上映館(11館)

「コリーニ事件」に投稿された感想・評価

nonchan

nonchanの感想・評価

4.0
ドイツで屈指の現役刑事事件弁護士として活躍しながら、自身が取り扱った事件をベースにした社会派ミステリーを多く執筆してきたフェルディナント・フォン・シーラッハの初の長編小説『コリーニ事件』の映画化。
デビュー作『犯罪』は日本でも本屋大賞翻訳部門1位になり、マニアには有名だったのかな。😅
残念ながら原作小説は未読。😓
でも、ミステリーだから前情報無しで観るのがオススメ。
現役弁護士ならではのよく練られたストーリー展開だけど、単なる殺人事件の謎解きに終わらない。
動機を語らない被告人の過去を辿るうちに、戦後のドイツの隠された歴史的事実に驚愕する。
国民誰もが知りたくなかった真実とはー。

この作品で描かれた「法律の落とし穴」が
きっかけとなり、ドイツ連邦法務省に調査委員会が設置されたらしい。
国家を揺るがした小説だな。
重厚ですね。さすがドイツ、酷い事するときは徹底的に酷いけど、正しいことする時も徹底的に正しい、そう思える映画です。

導入が良いです。若者の弁護士デビューの事案で自分が弁護するのは、かつての大恩人を殺した男だった、という所から、これどうなるのよ?!と興味をそそられます。

被疑者の老人は弁護士に何も語らない。明らかに彼が殺したのは間違いない、本人も否定しない、これは簡単な事案だと皆が思っていたら、弁護士の、真実を知りたいという熱意で徐々に動機が解き明かされていきます。

そして動機が明らかになったとき、果たして悪いのはこの老人なのか、殺された被害者なのか、それともドイツの法律なのか、または戦争なのか、いくつもの答えがある問いかけに対して、決して安易にごまかさず、都合の悪いことを隠したりせず、戦争責任に対しても正面から取り組んでいきます。

裁判官、検事、弁護士が、正義とは何か、法治国家における法律とは何なのかを真剣に議論していく展開がとてもよく感動ものです。検察が起訴したらそれでほぼ確実に有罪なんていう国家とは確実に違いますね。

それにしても、被害者はとても良い人で、トルコ人だった弁護士を差別せず、大学まで出してあげた恩人であり、こういう人でも狂わせてしまう戦争って、やっぱり絶対にしてはいけない事だと再認識させられてしまいました。

色んな事を考えさせられる法廷劇であり、父と息子のドラマだったり、ちょっとしたロードムービー的な部分もあったり、娯楽として、また重厚なドラマとして楽しめる良い映画です。お薦めです。
SAYACANDY

SAYACANDYの感想・評価

5.0
正義ってなんだろうね

前半は ん? だったが後半はほんとグイグイ来るしテンポ良かった
なんか重苦しいし色々考えてしまう
法で助かる人も居れば助からない人もいるのが本当につらいのだが…
映画は学びしかないな

つか 今頃ケバブ屋だったくせに!って言い方まじ酷いから!!!!!!!
あきひ

あきひの感想・評価

4.0
新宿武蔵野館にて「コリー二事件」
新米弁護士が、国選弁護士として担当したのは恩人を殺害した男。
最初は弁護を降りようとするも、動機を語らない犯人に、なぜ?どうして?が募る。
事件を調べるうちに過去に起きた犯罪と権力者によって歪められた法律の存在を知り…。
サスペンス不毛の国と言われているらしいドイツの作品だけれど、
自国が持つナチスという圧倒的な闇に対峙した作品。
犯人役の男性がほぼ喋らず、二言三言のセリフと沈黙だけで存在感示してて素晴らしかった。
うし

うしの感想・評価

4.3
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2020年劇場鑑賞53本目。
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Der Fall Collini(2019)
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すごい作品…
これが実話ベースなんだからすごい。
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事件の概要から
少しずつ明かされていく真相。
流れとしては法廷ものの映画の
鉄板のような流れだが、
その1つ1つが信じられないくらい重い。
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こう言う作品を見ると
関わる人全てを不幸にする
戦争を絶対に繰り返しては
いけないのだと強く感じる。
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役柄で行くと
若手の弁護士が
教授を追い詰めていく様も
痛快だったりする。
しかし内容重たすぎて
スッキリはしない。笑
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今期のベスト10に入ってきそう。
すごく響いた。
tomozo

tomozoの感想・評価

3.6
ドイツの映画は普段観ることないのでこういう映画の撮り方もあるんだなぁと新鮮だった。よくあらすじ読まずに観たけど、これは知らないといけないこと、観られてよかった。
磨

磨の感想・評価

3.6
ドイツの“負”の歴史、ナチス戦犯の裁きを問う同名ベストセラー小説を映画化した法廷サスペンス。

本作のカギになるのは1969年に施行された、エドゥアルド・ドレーアー検事による秩序違反法関する通称「ドレーアー法」。多くのナチ戦犯を、いわゆる「過ぎたこと」として無罪放免としたこのドレーアー法に向き合った駆け出しの弁護士と、経済界の大物を惨殺したイタリア人ファブリツィオ・コリーニ2人の物語。

正直あまり馴染みのないテーマの作品ですが、その辺を知らなくても作中で段々解っていくので、むしろ知識を入れなくていいかも?法廷サスペンスとしてなかなかの良作で、最後まで見応えがあります。
そして、かなり重厚で哀しい物語。ラストは泣ける。
K

Kの感想・評価

3.8
初めてドレーアー法という存在を知った。こんな法の落とし穴があったなんて、、、過去への償いは、個人だけではなく、国家もしっかり向き合う責任があるということを時間が経った今だからこそ、改めて訴える作品。実際、この作品によってドイツの法務省が動いたんだ、、、
Yossie

Yossieの感想・評価

2.5

このレビューはネタバレを含みます

まさにドイツらしく重厚な良い作品だとは思うけれど、過去に犯人が被害者を訴えてたっていう事実を見落とすってのはありえなくないかな?あんなに調べてたのに…
ゆかし

ゆかしの感想・評価

3.9

このレビューはネタバレを含みます

終盤からの怒涛の展開に圧倒された。

前半部分は主人公カスパーの行動に「ちょっと…」と思う部分が多かった。
顔見知り程度ではなく恩人、親代わりレベルの人が被害者になっている事件で、これまた親しい間柄の恩人の孫娘から「やめて」と言われても押し切って犯人の弁護士に就いたのに結局はその親しい間柄を利用して被害者宅に上がり込み情報を集めているところ(それはせこくない…?)とか。
故殺→刑期が軽く数年で刑務所から出られる/誅殺→刑期が重く終身刑も有り得るの争いをしている主人公カスパーと相対する被害者側弁護士マッティンガーとが弁護期間中に仲良く出かけているシーンはそれぞれの依頼人に不利益が出ると疑われないのか、とか。
その出かけた先で「検事は自分と旧知の仲だ、犯人に自白させたら誅殺を故殺判決にしてやろう」と持ち出されたシーンもやばかったけど。笑 マッティンガーは教授としてめっちゃ持ち上げられているけど信頼性一気に墜落したわ。笑
あと、カスパーが恩人を殺害した犯人の弁護はやっぱり辞めよう…となったときマッティンガーが「法廷は私情を持ち込めるようなや柔なところではない(から続けるべきだ)」と後押ししたのに取引持ちかけてめっちゃ私情を持ち込んでるやん!笑


そこからの後半の謎が解き明かされていく展開がすごい。
ドレーアー法が何に加担していたのか、この法律によって見逃されてしまったものが何なのか。
ドイツは現在でも街中にナチスの行いと犠牲者を記す碑があり戦争の罪に向き合うことと過去から学ぶことを大切にする国だというイメージがあったので、ドレーアー法というものが成立していたこと、それによって多くの残虐行為が免責されてしまった事実に驚いた。
コリーニのお父さんのシーンは本当につらい。戦争とはいえ、戦後に可決されてしまったひとつの法律によって正当に裁かれることがなくなってしまったことは苦しい。
自分の父にされたことをそっくり模倣してハンス・マイヤーに銃を突きつけたコリーニの表情よ…

もとは小説原作の映画だけど、この小説が大ヒットしたことによって出版から数ヶ月後にはドイツ連邦法務省が調査委員会を設置することになったらしく、表現の持つ力も強く感じた。


今回、詳しく知りたかったこともあって久々にパンフレットを買った。
「些細な法文の文言の違いが、いかに人々の人生に深く、取り返しのつかない影響を与えるか」
「映画『コリーニ事件』は警告する。「わが国は法治国家である」と信じて疑わない人に対して、本当にそうなのかと。」
「過去に目を閉ざす者は未来に対して盲目になると述べた偉人がいた」
めちゃめちゃ重いし刺さるし日本にも当てはまる…。
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