野獣の様に自慰に耽る女性と柵からそれを眺める男達のショットで始まる退廃的且つ露悪的なディストピア映画。

性的に倒錯した4人の女が国家管理する娼館に幽閉されており、顧客の1人がSMプレイの最中に負傷し、監禁する羽目になった事から政府側からの抑圧がかかる。
閉鎖的な世界と政府の圧力に耐えかねて娼館から娼婦の1人が脱出するが、自己意思の元に再び娼館に舞い戻る、彼女は社会との接点が断たれている為に自由に生きる術を失っており、唯一残された生存の場が娼館にしか無いのだ。(究極の支配)

過去作のエッセンスを全て踏襲して煮詰めたようなキャリアの集大成的ではあるがニコス・ニコライディスの遺作がこれかぁ〜とため息が出てしまった…。(過去作はどれも面白かったの今作はどれも中途半端だった)
この映画を観て学んだことは、作品を自己模倣と捉えるか様式美や個性と捉えるのかは作品の出来が決定するということ。
反復される失った子供の回想もエロシーンの合間に挟んでくるから気分が悪くなった。あと、おっぱい生卵塗り付けシーンも何回やるねーん！！