ダミアン君に恋してる

イン・ザ・トール・グラス -狂気の迷路-のダミアン君に恋してるのレビュー・感想・評価

4.0
たっだいま~!Netflixへ戻ってきたよ~ん!

次に再開した時、一番最初に本作を観ようと決めてた。ずいぶん長い間、観たいと思ってた作品をやっとここで…!

シチュエーション・スリラーってことで、やっぱりのヴィンチェンゾ・ナタリ監督だったなぁ♡

結論から言うと、大満足だった!!!

スティーヴン・キングとジョー・ヒルの原作は読んでないし、草むらの話ってことは分かるけど…ぐらいで、どういう系のやつか全く知らないままのスタート。

本当にまんま、ずっと草むらの中のシーンばかり!景色が変わらないのに面白さが止まらず、次の展開が気になっちゃうの凄いね。

ストーリーは気味が悪い一方、一面、緑色の植物で本当に綺麗な映像が収められてる。そんな自然界の癒し(陽)と不気味さ(陰)が混じり合った独特な雰囲気。昼間と夜との明暗のギャップ、別世界。

無限の草むらという巨大迷路内での音響体験。周りを360度、背の高い草に囲まれて視界を遮られている時にこそ聴覚の出番!右斜め後ろや、少し離れた場所など、ある一定の場所や方向から聞こえるかすかな音や人間の声。遠近感がリアル。絶対これ音で怖がらせにきてるやつだって思った。ヘッドホンで聴いていても分かった、音づくりが凝ってるってことが。

方向感覚のコントロールに関して、最初は音を使うことで安心させておきながら、実はのちにそれが正常性を狂わせる手段として使われていたんだってことに気づかされる。謎の迷路へと誘いこむ心理的な演出が素晴らしすぎた。

植物たちが生き物だって主張しているように揺れる時、彼らが何か喋りたがっているように見える不思議。葉っぱの擦れる音が言葉を発しているかのようだし、同時に風までも感じる。まさに映像がなせる業、映画マジックだなって思った。

特に好きだなと思うところは、夜のシーンが真っ暗なこと。月明りと雷鳴だけで登場人物を照らす演出の秀逸さ。懐中電灯や人工的な明かりが一切出て来ないことに感心。これは文句なしの高得点!!!こんなにも月の光が効果的なシチュエーションって他にあるかってくらい印象的だった。

そうそう、パトリック・ウィルソン出演ってことでも楽しみにしてたんだよね♡パトリックが楽しそうに演じてるんだもん、なおさら評価上がっちゃうに決まってるぅ~!おもろい役回りだったね。

幻想トリックありドロドロな狂気あり、ミステリアスで最高…だったのはいいけど、結局この草迷路の存在は一体何だったんだ…っ!?

苦しみ、罪と罰、赦し?教会も出てきたしキリスト教にちなんだものかな。邪悪な精霊や異教の神の化身だった…?それとも宇宙人の仕業かな?大好きなやつだよ、どちらにしても。原作が読みたくなるね。

ひとつに"自分自身の本音と向き合う"ってことがテーマとしてある気がしてる。

ナタリ監督って意外に映画撮ってないよねー。低予算でいいからもっと作品を世に残して欲しいし、何より私が一番新作を観たいの!!!

その時が来るまで、楽しみに待ってよ~っと♪

*☆Keyword*☆
『IT/イット“それ“に触れたら、最期。』