ヤマタノオロチ

グンダラ ライズ・オブ・ヒーローのヤマタノオロチのネタバレレビュー・内容・結末

1.6

このレビューはネタバレを含みます

新作料金で見るに値しない代物


若干の地雷臭を感じつつも、パッケージがちょっとカッコ良かったのでホイホイ新作料金で借りてしまいました。

【脚本】
とにかく前置きが長い。主人公の回想と人助け(主に格闘でのアクションシーン)、ヴィランの悪行がダラダラ続き、開始から70分で主人公はやっとヒーロースーツを着ます。2時間映画でスーツ着るのに半分以上費やすとかありえません。アイアンマンでさえ30分でパワードスーツを完成させています。これほど長いのは、スーツ着るのに1シーズン費やしたドラマ版のデアデビル以来でしょう。
また、ストーリーがDCエクステンデッド・ユニバースよりも更に暗く、ジョーカー(2019)が天国に思えるぐらいブラックで貧しいです。

【ヒーロー・設定等】
主人公は雷に打たれてグンダラとしての能力を授かります。しかし、能力の発揮には充電が必要で、雷に打たれないと充電できません。基本的な戦闘はムエタイの様な体術なのでかなり地味です。ブラックライトニングの様に放電もしますが、劇中では2回しか使用していません。蓄電量の問題でしょうか?また、蓄電していると回復力も上がる様ですが治癒因子ではありません。

ヒーロースーツは既視感の塊です。デッドプールのスーツにゴーグルを掛けて、初代フラッシュや初代キャプテン・アメリカの様な羽のエンブレムを耳に付けています。一応急造モデルですが、「もう少し工夫しろよ」と思えるぐらいのバッタもん感です。

ヴィランは「よく笑うバイオリニスト」と「よく笑う女子大学生」以外はごく普通のチンピラやギャング達です。街は政治汚職と貧困に塗れていて、まさにゴッサム・シティです。(ジョーカーとハーレイも居ますしw) ただし生活水準は本家ゴッサム・シティよりも貧しく、孤児でコミュニティが形成される次元です。

【総評】
「馴染みの無いヒーローだから予習しなくて良いや」と思ったのが運の尽き、完全に置いてけぼりを食らいました。予習する物が一切無いので前半の一時間で飽きました。開始一時間以内に主人公がヒーロースーツ着てりゃ飽きずに観れたかもしれませんが、派手な技もないので着ても大して変わらなかったかも…。

ただし、殺陣関しては日本の特撮ヒーローより格段に上でワイヤーアクションを効果的に活用してる。逆を言えばCGをもっと多用して欲しい。CGを使わない事で特色を出そうとしたのかもしれないが、スーパーヒーローならせめて飛び道具や武器を多用して欲しい所。

【余談】
映画を観た後に原作の出版元であるブンミラゲット社を少し調べてみました。1954年には既に法人化していたようで、老舗の漫画出版社です。
他のキャラクターも確認しました。従来のアメコミキャラに酷似しているものの、作画技術は高くて正直カッコいい。東南アジアで収まっていたのが不思議なレベルです。かつてフォーセットコミックスのキャプテン・マーベル(現名:シャザム)をDCコミックスがスーパーマンのパクリとして訴えたこともあり、息を潜めてたのかもしれません。

DCやマーベルの実写第一作を考慮すると、ブンミラゲット「ましな船出」と言えるかもしれません。「キャプテン・アメリカ 卍帝国の野望」は酷かったもんなぁ…。そう考える、飛躍する可能性は十分にありえます。飛躍の希望も込めてスコア0.1増しです。

というか何で第一作が「グンダラ」なんだ?「ゴダム」の方が空飛べて第一作向きだと思うんだが…もしかするとMCUの「シャン・チー」への牽制という意味もあるのかな?
ちなみにコミック版のグンダラはゲーム「キング・オブ・ザ・モンスターズ」のアトミックガイにそっくりです。SNKの方が後発なのでおパクリした可能性はあるかも。
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