ドラえもんの「タイムベルト」機能の様な時間遡行設定を上手く使って過去に取り残された親友の娘の救出を「ドラッグ」や「人種差別」現代にも残る諸問題を散りばめつつ描くSF佳作。
タイムトラベルの科学的考証は全くしておらず、開発者の説明も「へぇーそうなんだ」位のいい加減さ。非常にライトに時間旅行実験を繰り返す主人公も危機感が欠如してるし、世界を揺るがす大発明も主人公周辺で物語が完結してしまうので広がりは無くこじんまりとした世界観。…が、「過去」という縛りに屈しない人生の意義などが製作者の描きたい主題だとすれば変に壮大にするよりもバランスは良かったカモ。
しかしながらバディストーリーとしてはグッときたもののラストは予定調和過ぎて退屈。時間遡行モノは伏線を回収しつつ破綻を起こさず観客にアッと言わせる終幕を魅せるのが監督の腕の見せ所の筈。凡庸なオチは残念。
ホーキングには戻ってきて欲しかったカナ。
未体験ゾーンの映画たち2021 1本目
