キングレコードのBlu-rayが届いたので、プレリリース版を鑑賞。


売れない画家リノは、フラストレーションが溜まっている。最高傑作完成間近だというのに、アパートの家賃が滞納。同棲相手キャロルは長距離長電話をして電話代もとんでもない額だし、おまけに上の階をパンクバンド〈ルースターズ〉が借り切って、深夜まで爆音を響かせている。眠れない日が続き、ウトウトすると悪夢を見るようになるリノ。悪夢は、いつしか電動ドリルでホームレスを殺しまくるという具体的な映像となっていくのだが、ある日新聞紙上で本当にドリル殺人が起きたと知り驚愕する…


「ドリラー・キラー」。アベル・フェラーラの初期作品。


70-80年代、いわゆるニューヨーク派…カサベテスやスコセッシ、ウディ・アレンなど、NYロケの低予算インディーズ精神で既存のスタジオ映画とは異なる作品を発表する監督たちがおりまして、のちにスパイク・リーという決定版的監督が出てくるわけですが、その中でもイマイチ知名度が低いアベル・フェラーラのカルトな一本がこれ。普通にスラッシャーホラーを期待すると肩透かしなんですが、当時のニューヨーク、アングラアートシーンを覗くという面白さが詰まった作品です。ストーリー的には、いま流行の「ジョーカー」の原型とも言えるかもしれません。監督本人が演じるリノの不気味さは特筆モノ。彼を悪夢に誘ったトリガーがウサギの死体であったように、これもまた不思議の国のアリスモチーフなんだね。

昔の映画だけど最後まで見ちゃった。
イカれ具合が笑える。