てるる

光を追いかけてのてるるのレビュー・感想・評価

光を追いかけて(2021年製作の映画)
4.2
光を追いかけて。
いや、光に導かれて。

これは思わぬ伏兵現る!
めちゃくちゃ良かった。

東京から秋田に転校してきたアキラ。
田舎に馴染めずにいたが、屋根の上に立つ少女マキを見かけて心奪われる。

マキ役の長澤樹が若き日の中島美嘉に似てる。
その凛とした佇まいと少女らしいギャップにアキラと同じく心奪わる。

基本は青春ファンタジーなんだけど、そこで起こっていることはやけにリアル。

どんどん過疎化していく町。
遂には廃校になる学校。
借金に苦しむ大人。
イジメ問題etc…

大人たちを他所に、必死に何かを残そうとする子供たち。
色んなことに傷付いた少年や少女たちの再生と成長に涙する。

そんな中でも学校愛を貫く村上さんが、キャラもキャストもめちゃくちゃ良かった。
クライマックスでのマキと村上さんの対峙するシーンは屈指の名シーン。

風光明媚な田園の風景。
俯瞰で映し出す稲穂の絨毯の美しさ。
まさに金色の野に降り立つべし。

クライマックスで、畦道でマキを追いかけるアキラのシーン。
爆音の音楽の中で稲穂の間を駆ける2人にゾクゾクした。
このシーンだけでも劇場で観る価値あった。

脇を固める柳葉敏郎や駿河太郎も良かった。
ギバちゃんはちょいちょい室井さんみが出てて笑っちゃったけど。
生駒里奈が秋田出身らしく、意外にも演技が良かった。

しかし今日から緊急事態宣言が解除され、レイトショーも解禁。
これもレイトショー無かったら観てなかったかもしれない。
やっぱ仕事終わってからの映画館は最高です!
てるる

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