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光を追いかけてのogagawawaのレビュー・感想・評価

光を追いかけて(2021年製作の映画)
4.4
稲穂が金色に輝いている。雄大で開かれているようで、どこまで進んでも何も変わらない気持ちにもさせる。秋田を舞台に、後援に秋田教育委員会に、出演に秋田出身の生駒ちゃんと柳葉敏郎という超秋田映画だぞ青島ァ。そして、僕らは長澤樹さんに出会ってしまったのだ。これは引力。個人的に雑に例えるなら中条あやみ+清水富美加というような、目を奪われてしまう魅力に加えて、いい意味でのそこら辺にもいそうな親しみやすさと、触れたものを傷つけてしまいそうな危うさが同居している、、、
 
閉校する中学に転校してきた男子生徒がある女子に出会うことによって始まる物語…いわばボーイミーツガールのはずが、あの年代特有の全能感と無力感の解像度と、過疎が進む地方描写が、キラキラ青春映画になることを拒んでいる。それに行き場のない思いを抱える子供たちだけではなく、その土地での営みを背負い、もがく大人たちの物語でもあるのだ。日常を失い、未来を憂う彼らを照らす"光"の正体とは。光を望むな、光となれ。誰しもがどこか欠けていて、何かを抱えている。少々あざとめなシーンはあるけど、それも若さの瑞々しさの前ではその青さが最高だ。終わりはいつだって始まりで、食べることは生きることで。嫌いだけどやっぱり好きな故郷。秋田!ドローン!思春期!傑作!(偏愛かもしれん)
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