なんというか、超映画だ！ 不穏、不穏、そして不穏。そのうえに保たれたバランス。平穏な日常と、仰々しく鳴ったり取り繕うのをやめるようにパタリと消える音楽。そして大地を踏みしめる音。フェザータッチでぎりぎりを逆撫でするように、リズムが心地よいのに嫌〜な感じが引っかかる、濱口作品やで…。
運動と静止、反復と異分子。長野県の水が綺麗な村に、浮上するグランピング計画。時代性を帯びた一連の出来事の先、それぞれの行動原理の因果。全員本音のようで、全員裏がありそうな、清濁混ざる人間味。割り切れるのは、何かを見ないことにしているからなのか。見える時、見えていないこと。だるまさんが転んだ。では転んだのは誰か…。水の流れは不可逆で、悪は存在しないというのなら、善も存在しないかもしれないし、そもそも何を以て善悪を判断するのはひとなのだ。村も、映画も、ひとが作ったもの。つまり、ひとが産んで、ひとが是非をつけている。こんなふわふわポエトリー感想になるのも、ぜんぶあのラストのせいです。いやー、やっぱりそうか、そうだな、そうかもなァ！ だよ全くもう。みんなでふわふわしようぜ！
うどんの感想に気をつけよう
