一人旅

デンジャー・クロース 極限着弾の一人旅のレビュー・感想・評価

4.0
クリフ・ステンダース監督作。

ベトナム戦争時の1966年8月、南ベトナムの農園地帯で少数のオーストラリア軍が2000名の北ベトナム軍と激しい戦闘を繰り広げた「ロングタンの戦い」の実話を映画化した豪州産戦争アクションの力作です。

本作は、ベトナム戦争を題材とした映画の中では数少ないオーストラリア軍の勇姿にスポットライトを照らした作品です。南ベトナムの農園地帯における新兵を中心とした108名のオーストラリア軍と数の上で圧倒的優位に立つ2000名のベトコンの熾烈な攻防を活写しています。

多勢に無勢の状況に追い込まれたオーストラリア軍の窮地と反撃の顛末を、物資が不足した歩兵小隊の密林での死に物狂いの戦闘を中心に、遠隔地からの迫撃砲による砲撃や味方の航空支援、装甲車両による救援措置といった他部隊の活躍を織り交ぜて描いた本格派の戦争アクションとなっていて、兵士数で約20倍の戦力を有する北ベトナム軍に対して、多彩な戦略&兵器で立ち向かう豪州軍の勇姿が迫力&臨場感満点の戦闘描写と重低音が戦場に響く優れた音響演出をもってノンストップで活写されています。

戦争映画史においてあまり取り上げられることのなかった“ベトナム戦争下のオーストラリア軍”を事実に基づき再現した実録戦争映画の力作で、エンドクレジットで映される実際の兵士の姿がキャストの風貌と瓜二つなことにも驚かされます。
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