岩嵜修平

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男の岩嵜修平のレビュー・感想・評価

3.7
巨大悪徳企業デュポンと戦い続ける一人の弁護士。創作なら、もっと分かりやすく解決して終わるところ、いつまでも決着が付かないのが現実。弁護士の家庭内の問題とか、告発した側の人々のデュポン城下町での居心地悪さとか細かいところを描いてて良かった。

これ、過去の話でも他人事でもなく、今も裁判は続いてるし、テフロン等は日本国内でも無くなっていない。裁判の顛末は、日本での水俣病やイタイイタイ病に重なる。当の企業はおろか、政府も自治体も被害を受けた方々の味方にはならず、裁判は長引かされて、一人一人、亡くなっていく現実。社会の腐敗。

しかし、プロデューサーも務めたマーク・ラファロは本当に尊敬に値する俳優だな…。MCUやグランドイリュージョンみたいなエンタメ大作シリーズで稼ぎつつ、自分メインの企画は『フォックスキャッチャー』(こちらもデュポン…!)『スポットライト』『ある家族の肖像』と作る意義がある社会派ばかり。
岩嵜修平

岩嵜修平