ハレルヤ

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男のハレルヤのレビュー・感想・評価

4.0
企業弁護士のロブ。ある日祖母の知り合いからの依頼で牛の変死が相次ぐ農場を訪れ、大手化学メーカーのデュポン社からの廃棄物質が原因だと確信する。やがてロブは地元住民7万人を原告団としてデュポン社相手に集団訴訟に踏み込む社会派ドラマ。

アメリカのオハイオ州で実際に発生したデュポン社による40年間に及ぶ有害物質による健康被害や大気汚染。日本だと水俣病などの四大公害病に相当するもの。それを長年に渡り追い続けた弁護士ロブの姿を中心に物語は進みます。

相手は巨大企業。1950年代から危険性を認知していたのに利益優先で隠蔽したデュポン社。しかも動物を使ったり、挙句の果てには従業員を使って実験まで行っていた。調べれば調べるほど恐るべき事実が明らかになる。この事実を突きつけ、徹底的に争う姿勢を見せるロブ。

マーク・ラファロがそのロブを冷静ながらも熱い心を持つ姿で熱演。本人も製作を兼任していて本作への大きな熱意を感じます。アン・ハサウェイ、ティム・ロビンス、ビル・プルマン、ヴィクター・ガーバーなど他のキャストも何気にかなり豪華。

そんな豪華なキャストとは裏腹にやはり実話を取り扱ってるだけに作風自体は凄く地味です。それでもロブが何度心を折られそうになっても、実際心労で倒れても、絶対に諦めない執念は間違いなく伝わってくるでしょう。

「出来ることからコツコツと」のやり方で、デュポン社を追い詰める。今でも訴訟は続いていますが、現在もアメリカが抱える大きなテーマの1つを垣間見えたのは興味深かったです。
ハレルヤ

ハレルヤ