Niylah

メリー・コルヴィンの瞳のNiylahのレビュー・感想・評価

メリー・コルヴィンの瞳(2018年製作の映画)
3.9
『プライベート・ウォー』を観て、隻眼のジャーナリスト、メリー・コルヴィンに強烈に惹き付けられ、ずっと観たかった作品。

“唯一無二の存在” “歴史の証人”
“傍若無人” “使命感や正義感にあふれる人” 彼女を形容する数々の言葉。
私が彼女に惹き付けられたのは多分、私自身も正義感にかられ生き急ぐ人間だからなのかなと思う。

シリアの都市ホムス。
何百人もの女性子供が爆撃から身を隠す地下室、“The widows' basement/未亡人の地下室”。これは“戦争ではなく虐殺だ”という言葉。映像の中では作り物ではなく本当に本物の血がただただ流れている。爆撃も銃声も悲鳴も血も傷もすべて現実。

『プライベート・ウォー』を観て私が勝手にメリー・コルヴィン像をつくっていたのかもしれないけれど、この作品では、報道の為ならどんな犠牲も厭わない正義感や使命感にあふれる人、その反面、傍若無人で自分勝手で傲慢な人という印象を持った。死の恐怖に怯えタバコや酒に依存しラペルラの下着で武装する彼女はいなかった。人間臭い弱い部分のある彼女は虚構だったのかな…。

期待して観た作品だったけど、これはドキュメンタリー。事実であればあるほどなんだかフィクションを観ているかのように白々しく感じてしまった。
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