シネマ歌舞伎 女殺油地獄の碧のレビュー・感想・評価

仁左衛門の与兵衛には、"自分は愛される人間である"というある種の傲慢さがあって（実際問題、愛させてしまう愛嬌があった）、それが行動原理の一端を担っているように思っていた。

当時は当時でそれが現代的だったと思うけれど、幸四郎のように、現代的な、誰とも繋がれない孤独感をまとった与兵衛であるならば、全体的な演出を一新させなければいけないのではないかという気がした。

竹三郎と猿之助の好演が印象に残った。