真魚八重子

アトランティスの真魚八重子のレビュー・感想・評価

アトランティス(2019年製作の映画)
4.0
ウクライナ映画。心の京浜工業地帯が反応してしまう映画。夜空にたなびく煙突の煙、工場内のオレンジ色の炎の光芒、入り組んだ使途不明な鉄骨という、監督の意外なフェティシズムがのぞく。
2025年の戦争直後の世界が舞台という、あまりに的確な予想図。PTSDに苦しむ元兵士の男と、戦禍で置き去りにされた人々の遺体を回収する女。静謐さの中に心の動き、一連の体の動きが収められる。ほのかな希望を映画に託す監督。
真魚八重子

真魚八重子