このレビューはネタバレを含みます
観ている最中より、こうやって後から思い返して記憶で編集すると、良い映画だとしみじみ思う。静謐で、長いカットも多く体感時間が長いので、そうなってしまう。
オンボロ車で、映写をして各地を回る父子。観てい>>続きを読む
この時期の香港映画らしい、残酷で野蛮な描写。いまなら撃たれて指が飛ぶようなシーンも、特殊メイクが発達しただけ洗練されているけれど、この時期は杜撰なところがよけい気持ち悪い。リアリズムよりも、過剰さが胃>>続きを読む
アマプラのMGMチャンネルで、『月光殺人事件』というタイトルで日本語字幕付きで配信中。
76年版の同名映画も取り込んだ、メタ構造の作品。実際に連続殺人の起こったテクサーカナでは、年に一度、76年版の>>続きを読む
ムーンライト・マーダラー、またはファントムキラーと呼ばれる、戦後に出没した実在の殺人鬼。『13日の金曜日』のジェイソンのモデルになっている。テキサス州とアーカンソー州の狭間にあるテクサーカナで犯行を行>>続きを読む
女性が老婆になると、忌み嫌われるのはちょっと寂しい。
最初の大家族の件、こんなに鮮やかに主人公をぼっちにする演出があるだろうか。目が回りそう。でもその後のギトリの変装とかはあまり興味が湧かず…。自分>>続きを読む
ファルハディはやっぱり面白いなー。謎があって。
最高傑作は『セールスマン』かと思う。最初に夫婦が住んでいる建物が壊れていくシーンが、その後の二人を暗示していた。ファルハディは住まいや建物がものすごく>>続きを読む
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とあるキーとなるカットで、ハッと胸を突かれてボロボロ泣いてしまった。
映画は主人公の青年、佐野の不穏な荒れた行動から始まる。親友の宮田とともに、久々に訪れたリゾートホテルは閑散としている。その宮田も>>続きを読む
ヴェンダースの『ハメット』好きなんだけどな…。コッポラの元で苦難の末に出来上がった映画。本作は制作の方法が違うのに、抑え込まれる形で進めざるを得なかった、末期の日常を断片的に捉えた短編。
映画を観始>>続きを読む
群像劇で、土曜日の面会室に全員が集まってそれぞれに何かが起こる、まさに『ゼロ時間の謎』方式の映画。
根無し草のチンピラを好きになった少女は、献血車にいた青年と知り合う。気性の激しい彼女に危ない仕事をさ>>続きを読む
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主人公の女の子の性格が悪すぎて引く。酸性雨が強力さを増し、色々なものを溶かす硫酸のようになる異常気象が起こる。『魔鬼雨』みたいにドロドロじゃなくて、火傷状態。なぜか雨が当たっても重金属や車は溶けないの>>続きを読む
本当にお互い殺したいと思っている夫婦。妻は殺鼠剤を購入、夫はナイフで刺すことを考えている。そこで夫は連続して勝訴に持ち込んでいる弁護士のラジオ放送を聞く。彼に弁護してもらえれば勝てる!と安心し、殺人を>>続きを読む
どう観ればいいのかな~という気になる。頭が良くて気性が激しくて、時代の流れを読むことはできなかった女性。アルコール依存の問題が一番大きかったはずだが、この映画ではあまりクローズアップされない。史実と違>>続きを読む
その後のブレッソンとは違って、人々が動くし表情を変える。他の監督作品と比べれば能面に近いとはいえ、モノクロの映像で涙の煌めきが見えるだけでも、ブレッソンの異色作という印象。
話もとある女性が、好きな男>>続きを読む
全然美形じゃないオッサンが、砂金で一発当てるという夢を追って10年以上本宅に帰らないという、狂気じみた執念の間に二つの家庭をこさえてしまう。
妻二人を持って平然としているのが、本当に時代というか、おま>>続きを読む
豊かな映画だなあと思う。強盗チームがそれぞれキャラが立っていて、人間ドラマも描かれている。炭鉱へ強盗に行くというのは厄介な思いつきだが、クロスカントリーが登場する移動シーンは、この手の映画では珍しい。>>続きを読む
ヨン・サンホのアニメの陰惨さ。日本も学校のいじめ問題を直視したら、こういう状況なんだろうけれども。幼い頃に運命が決定してしまって、負の連鎖から抜け出すのは難しい。いじめられっ子は恐怖心が染みついてしま>>続きを読む
この話は苦手。ヒッチコック的な不条理で、酷い目に遭う主人公。最後はもうやさぐれてその世界に心身ともに堕ちてしまう。誰も釈明を聞いてくれないのも怖い。
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本当のマゾヒズム。いつかラストに人が飛び降りる映画を集めた「飛び降り映画祭」をやりたい。でも特集名からすでにネタバレになるから無理だけど。
80年代のトレンディドラマ風ながら、わりと真面目に恋愛や性を考えている姉妹の物語。二人のタイプは異なり、姉に振られた男が妹を襲ったりする迷惑千万な出来事もありつつ、姉妹が仲良しのままで終わるのは良い。>>続きを読む
男と女、レズビアンとオカマが金と欲望で組んずほぐれつする話。舞台はレズビアンバー、ゲイバー、男装の麗人もいれば美人のオカマもいるし、女性的なレズもいる。複層的なクィアの世界。現在のポリコレではオカマは>>続きを読む
オープニングからメチャクチャ楽しい。メタな構造になっていて、スタジオに入るスタッフや俳優の紹介が行われる。
ビックリする不倫劇の大らかさ。男女ともに浮気をし、そういう関係は一回だけがいいとか、主人公>>続きを読む
シャブロルのミステリからはちょっと外れた作品。
大手会社と政界の癒着による公金横領事件。予審判事のジャンヌ(イザベル・ユペール)は、関係者を一人ずつ追い詰めていこうとするが、命を狙われたり、逆に大き>>続きを読む
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主人公の彩人はなぜ黙々と亡くなった父の借金を返しているのだろうか。彼の借金じゃないのに。
母が頭の病気ゆえに凶暴性を発揮して、人に怒鳴ったり、店の中で金切り声を上げながら商品をメチャクチャに破壊したり>>続きを読む
こういう通俗劇も撮れるのね、という意外性を感じた。『プティ・カンカン』は退屈すぎて最後まで観ていられなかったので、通俗劇とすらカウントしていない。これは俗っぽさで楽しんで観られた。
衣装が楽しい。す>>続きを読む
皮肉めいた教訓を、逆にこんな寓話じみた表現にするのが「お手数なことで」と思えてしまった。つまり受けた印象の核心は、ありきたりということかもしれない。
イイ、とても好き。ただ人を殺し、観客に苦い思いをさせるための映画。
クリスマスか何かに、学校の改装の準備みたいなもので数人の生徒が残る。それぞれ三角関係だったり、多少男女の揉め事はありつつ、早めに話は>>続きを読む
ヌーヴェルヴァーグの他の監督たちは、この作品を観てどう思ったんだろう。ゴダールとはすでに決別している時期だけど。
全編モノクロ。撮影はアルメンドロスなので、蝋燭のシーンが美しい。
ヘレン・ケラーみたい>>続きを読む
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残念な作品が続いて、観るのを挫折していた清水崇監督作品。これは面白かった。比較的筋が通っていて、納得して観られた。
女子高生で死後モンスター化した子が、周囲の人の最期の声を収集するようになる。亡くなっ>>続きを読む
良かった。この長さなら許せる脈絡のない内容。黒の締まった、というか黒がベタッとした質感が懐かしい。スラッシャーももっと堂々とやれば良いのに。最後の何が起こっているわけでもないのに、怖くて異常に緊張感が>>続きを読む
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雪国のスケートリンクが主な舞台。主人公のタクヤはアイスホッケー部のキーパーだが、ぼんやりしていていつも点を入れられてしまう。そんな彼が、フィギュアスケートをするさくらに目を奪われ、それ以来彼女ばかり見>>続きを読む
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あああああ、気持ち悪い!!ペド役がハゲでねっとりしてるのが、超ゾッとする。
実話に基づく映画。著名な作家ガブリエル・マツネフと出会った13歳のヴァネッサは、それ以来彼から熱烈なラブレターを貰うように>>続きを読む
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監督の才能があふれ出るような作品で、まだ20代なのに凄いなと圧倒されてしまった。最初の方で友人の自殺の話が出るが、二度とその話には触れない。興味がない。それを伝えてくれた友人の話を聞いてるうちに、隣の>>続きを読む
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史実や“世紀の悪妻”という惹句と、映画の内容に乖離を覚える。チャイコフスキーの妻となったアントニーナは、たぶんもっと厚かましいとか、有名人好きで嘘の持参金を告げたような人で、こんな哀れみを誘う演出はど>>続きを読む
ジョー・スピネルが「俺には映画監督の才能があるんだ!」と言って、キャロライン・マンローをどうしても主演にしようと、カンヌで大騒ぎする話。
マンローもこんな映画につきあって、ケバいけどいい人だなと思う。>>続きを読む
内容はもちろん好きだけれど、80歳で自殺してしまうのは前向きなのかわからない。惚けてきてからでも良いのではと思ってしまう。
ハロルドのお母さんが、一番良い人な気がしてきた。奇人な息子の挙動にいちいち驚>>続きを読む