Monsieurおむすび

アトランティスのMonsieurおむすびのネタバレレビュー・内容・結末

アトランティス(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

東京国際映画祭にて。

近未来の戦争終結間もないウクライナを舞台に、元兵士の苦悩を淡々と描いたドラマ。
固定カメラによるワンシーン・ワンカット、そして恐らくほとんどのシーンをワンテイクで仕留めていると思われる映像の緻密さは感嘆。
奥行きある立体的な構図や人物の配置はもちろん、空の比率までが見事に画を支配している。
劇伴音楽を排し、徹底した現実感を高めており、ロシアと紛争状態にある現在のウクライナの地続き感がひしひしと伝わる。

戦争が終わっても其処彼処に散らばる過去の死の残骸と、そこで育まれる現在進行形の愛。
終始、鬱々とした不穏さが漂う中で、ラストショットに流れる淡い希望の風がなんとも爽やか。
Monsieurおむすび

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