このレビューはネタバレを含みます
ミリアムという少女は、ダンス大会で優勝するほどのダンスの才能を持ち、仲良しの妹もいて一見普通の幸せな人生を送っているように見える。しかし彼女の生活の実態はもっと暗いものだった。
彼女の家族はあるキリスト教の宗派に傾倒している。彼女はその在り方に疑問を抱き、次第にとある別のカルト団体の世界へと入っていく。
作品の元になったのは、実在する2つのキリスト教団体と1つのフィクションの団体。実際にカルト団体に所属していて既に脱退した人や、カルト団体に参加してこの作品を撮ったそうだ。ノルウェーに実在する団体を元に、宗教というデリケートなテーマに果敢に挑んだ監督や主演女優のチャレンジ精神がすごいと思った。
ミリアムに優しそうに誘ってくるカルト集団のボス的存在の女性が、かなり熱烈な信者で、怖かった。また、悪魔を取り除くためといって水に顔を押しつけられる場面も、このようなカルトをテーマとした別の作品で見たことがあるが、そんなことして悪魔が出て行くわけあるかい！と思った。そう信じてしまっている人がいるってことに悲しくなった。そして、これは実際に起こっている事実だと知って怖くなった。
すごく人間の怖さが表れている作品だけど、このようなことが実在する以上、見る意味はあると思うし、すごく教養になると思った。
