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ジャスト 6.5 闘いの証のshiroiwaのレビュー・感想・評価

ジャスト 6.5 闘いの証(2019年製作の映画)
4.0
映画としては荒削りというか、あまり計算を感じさせない、作り手の感情が入り込んだような作品になっている。これを見て何を言えばいいかわからない。イランの社会状況や文化を知らない身としては、かなりの衝撃作になっている。

タリバンの制圧が終わったアフガニスタンの一部地域、大きな橋の下のスペースに麻薬中毒者たちが肩を寄せ合って昼間から意識を朦朧とさせている場所があり、そこを取材した映像を見たことがある。スラムとも呼べないただのドブ川にかたまって、ひたすら麻薬を摂取する老人や痩せこけた若者たち。宗教や神を信じていなくても、この世界で地獄を見つけるのは容易い。現実のなかで、あれほど絶望感に満ちた場所は滅多にないだろう。
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