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わたしの叔父さんの犬のレビュー・感想・評価

わたしの叔父さん(2019年製作の映画)
3.0
行間や情感を読ませるだけでなく卓越したショットでも見せてくれる極めて映画的な演出。特に、食事デートのあとに外で鳥の群れを眺めるシーンの人物配置による構図が良い。クリスがスマホを所有して夢や恋が身近になっても過去の呪縛から生活のルーティンが変わることはないが、反復される中で差異としてテレビの故障によりニュースの映像と音声が遮断される。このタイミングでチラチラと叔父に視線を向けるクリスが発するであろう言葉の真意が「テレビ買い替える?」ではなく一歩踏み出すなにかであることを願う。クリスと叔父が長いマットみたいなものを協力して畳んでいるシーンが微笑ましい。
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