cocomilk8o8

わたしの叔父さんのcocomilk8o8のレビュー・感想・評価

わたしの叔父さん(2019年製作の映画)
3.8
『Onkel/Uncle』
デンマーク作品。

オチなく突然終わる。でもなぜか心に残る作品。

酪農で暮らす姪と叔父の日常を、悪い言い方をすると「だらだらと見せられる」作品。
ただそれだけの話で、他人の家の事情をじっくり見る「家政婦は見た」状態😅
しかし、結局彼女は叔父を取ってしまうことに見てる側は歯痒さを味わい、叔父にはもっとしっかりしろよと、姪っ子の将来より、彼女の顔色を窺ってしまって言いたいこともはっきり言えないもどかしさを味わい、二人のその距離感を絶妙に描いている作品で優作だと思う。

私の大好きな作家の作品の中の言葉で「切って捨てられないから血は厄介なのだ。正しさだけですべてを決められたら、どれだけ楽だろう。」という自分に取って印象的なセリフがあるのだが、まさにこの作品でも言える。他人は言うが易しで、彼女の選択は誰がどうこうして変えられるものではなく、彼女しか変えることができないし、正しさだけで全ては決められないから人生は厄介なのだ。

『アナザーラウンド』を見てからデンマークの作品にも興味が出て、レビューが高かったので見てみた。最後がブツって切れて終わったので(あのTVのように)、ビックリした😆

最後の考察は人それぞれだと思うが、私はTVが壊れてやっと本音をお互いが言い合える時間が出来たのではないかなと思いたい。「もっとお互い話し合え」とのメッセージがラストのTVだと思いたいな😊クリスも何か言うようなシーンで終わったので。彼女は何を言いたかったのか。前に踏み出す何かであって欲しい。

デンマークの田舎の日常風景と一つの家族の生活を美しく淡々と絶命なセンスで描いた作品✨
こういう作品もたまにはいい。
cocomilk8o8

cocomilk8o8