アーロンて鉄壁の美形＝能面のような無表情な役ばかりみたいなイメージを勝手に抱いていたんだけど、このくたびれたホームレス役、本当にそういう人に見えたから驚いた。マジで冒頭5分くらいアーロンだって気づかなかった。
ホームレスの人たちの苦境につい「こうすればいいのに」と言いたくなるけど、それができたらこんなことになってないんだよな。この映画はそれぞれ訳ありの登場人物たちの境遇に、言い訳めいた説明をしない。なのに寄り添っている。
新人監督らしいのだけど、すごい才能だと思う。TIFF舞台挨拶の回で見たので、以下印象に残っていることを。
ミリアム「ファーストフード店難民の人たちの共通項は”家族に相談できない”こと」
アーロン「一昨年のカンヌで脚本を読み、ギャラ規模を問わず必ずこの役をやりたいと思った。これは日本ではネカフェ難民にあたる話」
監督「スターではなく役者としてきてもらった。現場では監督の指示のもと演技してもらった」
本当にいい映画だから、日本でも公開しますように！人と人との距離感とかすごく大人なバランスなんですよ。いつもニコニコ調子いい絵の上手い人がある瞬間に見せた表情とか、どの人もすごく上手かった。なんとなく見た映画だったんだけど、見てよかったな。
