これもまた映画なのか。
「jetée」はフランス語で「埠頭」「桟橋」そして「(空港の)搭乗橋、ボーディングブリッジ」の意。
「ある日曜日に家族で空港を見物した。この少年はそれ以来一日も忘れたことがない。送迎台で見た光景とある女性の顔を。ずっと後になって見覚えがあることに気づく。戦争前、平和な時代の彼女の顔だ」
第三次世界大戦後、わずかに生き延び地下に住む人々が人類を救う為に、主人公の男を使って過去と未来に飛ぶ実験を繰り返すというお話。
少しの音楽と静寂、鼓動の音。モノクロ写真のモンタージュにナレーションを乗せて映画は進む。が、男と女の何度目かの邂逅の後、鳥のさえずりと共に女が目覚め瞬きする短い時間だけ時が動く。
ハンモックの上で、コードの繋がったアイマスクをした男に注射するだけでタイムリープ。額にボタンみたいなのを貼り付けただけの未来人。何かのパターンを拡大していくだけで表現された未来都市。
これもまた映画なのだ。