MasaichiYaguchi

マイライフ、ママライフのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

マイライフ、ママライフ(2019年製作の映画)
3.4
2020年・第14回田辺・弁慶映画祭コンペティション部門で観客賞を受賞した本作は、現代社会で仕事に家庭で頑張る女性ならではの、生き辛さを抱える2人の女性の葛藤と希望を浮き彫りにして描いていて共感を覚えてしまう。
仕事に熱中する日々を送る綾は、結婚して3年になる夫から、そろそろ子どもが欲しいと言われ辟易としてしまう。
彼女には、妊娠・出産に勇気が持てない或る理由がある。
一方、2人の子どもを育てる沙織は、本当にやりたい仕事を諦めて事務職で働いている。
或る秋、綾は「家族留学」という家族体験プログラムのイベント運営を任されて沙織の家族と出会う。
ここから主婦と仕事の両立に苦労しながら立ち向かう2人の女性の交流のドラマが展開していく。
働く女性の悩みや葛藤をリアルに描く本作だが、女性だけでなく、パートナーである男性や、女性を部下に持つ管理職の男性こそが観た方が良いと思う。
何気ない一言や、女性任せにしていることが如何に彼女らを傷付けていることが、本作を観るとよく分かる。
女性活躍推進法が2022年4月から中堅・中小企業へ対象拡大されたが、真の意味で彼女らの生活に寄り添うものであって欲しいと思う。