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約束の宇宙(そら)のItottyのレビュー・感想・評価

約束の宇宙(そら)(2019年製作の映画)
3.6
離婚してシングルマザーな女性宇宙飛行士が、子育てと両立しながら、出発までの訓練に励んでいくお話でした。


今日はちょっとレビューぽく。

主人公の宇宙飛行士としての準備の様子以上に、親子の関わり合いが中心に描かれていました。親と長い時間離れなければならない子どもの寂しさや、子どもをすぐに見れない親の心配がよく伝わり、切ない気持ちになります。
なんですが、だからこそ、親子の互いを思いやる心や出発に向けての感動の盛り上がりが薄かったのが残念でした。親子の約束をもっとグッと強調したり、壮大な音楽で盛り立ててくれてりしたら、泣きそうだったのに。いや、泣かなくてもいいんですが。。。
最後まで物静かに進むストーリーは、嫌いな雰囲気ではないものの、ちょっと退屈になってしまうところもありでした。


あとは、エバグリーンのお胸が3回も出てくる問題。
お母さんとしての苦悩だけじゃなくて女性飛行士としての大変さも伝わり、1回目の更衣室が男性と同じと言う場面はよくわかりました。でもそれ以降は必要ないんじゃ。。。確かに、確かに世の男性は眠気は覚めるかもしれませんが、ちょっと逆に嫌な感じとしても受け取れました。女性の監督さんだから、そう言うシーンで女性の強さ逞しさの表現だったのかもしれませんが、鑑賞中はそう見えなくて残念でした。

一方、ストーリーの落ち着きとは別に、訓練のシーンは、セットなのかわかりませんが、かなりインパクトありました。過酷な訓練の描写を妥協しないところが本当に映画として気持ち良いし、両立の大変さがより際立った気がします。




最後に感想。

欲しいもの、達成したいこと。これらをたくさん持つことは悪いことではありません。むしろ知らず知らず自分にブレーキをかけて、妥協してしまっていることに気付かされました。
本作の主人公は、
子どもと少しでも一緒にいて育てたい

夢だった宇宙に行きたい
という二つを諦めませんでした。控えめに見て、両立は出来きれてませんでした。それでも、二つの「やりたい」を最後まで話さなかった。もしかしたら、仕事に支障が出てるから、宇宙行きはクビね、と言われてたかもしれません。だとしてもそれは周りが決めること。自分では手放さなかった。その気持ちだけは、称賛を送りたいのです。
そしてそれを結果に結びつけるにどれ程の人知れない努力があるのか。

エンドロールで流れる歴代の女性宇宙飛行士たちの写真が、そんな努力と信念の人の歴史を現実に垣間見た気持ちになり、とても励まされる一本でした。
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