サンドマン

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのサンドマンのレビュー・感想・評価

5.0
とうとう成し遂げたMCU。

いくつもの権利問題の壁を突破し、ようやく実現した究極のファンムービーだった。

MCUを追って来た人。
スパイダーマン映画だけは観て来た人。
感激の1本だったでしょう。

正直に言うと詰め込み過ぎ感は否めない。
否めないが必要情報の詰め込みだった為さほど疲労感はなく、むしろテンポ良く感じた。


側近のMCU3作があまりパッとせず、スピンオフドラマの方が本来のMCU映画の様な出来で面白い現状が続いていたがそれを払拭するほどのインパクトだった。
やはりスパイダーマンは華がある。
コミカルでカッコよく親しみやすい。

アクション、演出、脚本、カメラワークはもちろんの事、一本の映画では通常厳しいキャラ数と掘り下げを最低限まとめられていた。 流石と感じた。

中盤以降の最大のサプライズは確実だろうと予想はしていたがやはり画面で見ると感激してしまう。
いままで何度もリブートされて来たスパイダーマンの宙ぶらりんな状態がMCUと言う化け物コンテンツのおかげで落とし前をつけられたと言う印象。
もちろん賛否あるでしょう。
それはわかる。 わかるが、この一本で成し遂げた事は映画史上でも類を見ないほど想像以上に凄い事で、我々一般消費者には到底想像もできないほどの契約数と困難があったに違いない。


それを現在MCUが取り組んでいるマルチバースに落とし込み上手いこと辻褄を合わせられた。 後付け設定かも知れないが、ここしかないタイミングで落とし込めたと思う。


過去作のヴィラン勢の俳優陣も素晴らしく、当時の映画を思い起こさせるリスペクト演出もふんだんに詰め込まれ個人的には文句のつけようがないほど良かった。


スパイダーマン、そしてMCUを十数年追って来た人達はある程度の満足感はあるし、お勧めしなくても当然皆さん観ることでしょう。 ただ、マーベルライト層の方達はこの映画を一本の単作として観た場合やはり詰め込み感と置いてけぼり感はあるかと思う。


せめてMCUスパイダーマン、アメスパ、サムライミ版は観た方が楽しめるでしょう。


なんにせよMCUは映画史に残る事をずっとやって来てますが、この作品で会心の一撃になったのは確かだと思います。
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