このレビューはネタバレを含みます
色々ありすぎるので、ラストにだけ絞った感想。
ラストが祝福され前向きなものに見えて、不自然だと感じないのが凄いと思う。
ピーターにはもうコネもカネもない。いやそれどころか、彼にはもう
学歴も地位も、友人も恋人も家族もない。あったはずのものは全て無い。
都市郊外で一人用サイズの賃貸に住む、孤独で貧乏な白人男。
いまの彼は境遇的にはワシントンを襲撃したQアノンとかのほうに近い。
過去のヴィラン達がヴァルチャーやミステリオになる事を選んだ瞬間に近い
それなのにヒーローを続ける事への自信にピーターはかつてなく満ちている。
アイアンマンを継ぐというエンドゲーム以降のテーマの決着にこのラストを持ってこれたのが本当に凄い。
継承するという事は地盤を継ぐとかポストを任されるとか遺品を持ってるとか、共通の知り合いに承認されたとか、そういう事じゃないのだ。
ピーターはただ勝手に自分の判断で、渡されたバトンを引き継ぎ、持ち続ける。彼が誰を継いだのか、何を継いだのか、それを自分以外は、この世界で誰ひとり覚えていなかったとしても。
本当の意味で継ぐという事について考えた結果の物語だと感じた