かぴばる

ファースト・カウのかぴばるのレビュー・感想・評価

ファースト・カウ(2019年製作の映画)
4.2
 開拓時代のアメリカを描きながらも、従来の西部劇からは一線を画した異色作。

 「甘い甘いビジネス!?」みたいな日本での売り込み方からするとクライム・サスペンス系かと思わされるが、終始静かで暗い画面が続く純文寄りの作品。これは宣伝が悪い。

 砦での生活の描写や森の風景、全体的な治安の悪さはまさに迫真の演出であり、非常に見応えがある。また、主人公ふたりの人物描写も良く、どんどん人柄が知りたくなる。牛に話しかけながら乳搾りをするシーン、あれでぐっと心を掴まれましたよね。

 もうひと悶着あってくれたほうが盛り上がる気がするけれど、そもそもそういった方向性での盛り上がりは要らない作品な気もする。わからん。