内容を知らずにただタランティーノ作品に出ているディカプリオ見たさに鑑賞してみたら、思いがけず気分が落ち込んでしまった。
西部劇の体裁を保ちながら人種差別や奴隷制度、白人至上主義等アメリカの闇に真っ向から切り込み、見ているだけで気が滅入る。でも、そういった忌々しい歴史や過去がド派手にエンタメ的に描かれ、不思議と引き込まれる。特にディカプリオが出てきた辺りからは緊張感が急激に高まり、心の底からジャンゴとシュルツを応援していた。
復讐劇の中にも紆余曲折があり、途中くらいから誰がどういう行く末を迎えるのかだいたい想像がついてくるものの、先の読めなさや緊迫感がずっとあるのが良かった。
派手すぎるバイオレンスな描写はちょっと苦手に感じてしまったけれど、それだけに説得力が増していた。
黒人と白人を肌の色だけで切り分けるのではなく、登場人物それぞれに複雑なキャラクター性があり見応えがあった。