九月さんの映画レビュー・感想・評価

九月

九月

白鳥(2023年製作の映画)

5.0

子どもの頃大好きだった絵本の読み聞かせ、ワクワクした気持ちと、物語そのものだけでなく大人に読んでもらうということ自体にどこか救われていたのかもしれないということを思い出した。
明るい話では決してないが
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マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)(2017年製作の映画)

4.6

家族の複雑さに頭を悩ませ、振り回されている最中のマシューが「妻にはうんざりだ、新しい家族が欲しいよ」と溢していたが、存在が当たり前になると煩わしくなることもあるというのに、それでもいて欲しいと思うのは>>続きを読む

アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方(2024年製作の映画)

4.8

もっと一方的であからさまに批判的な作品かと思っていたが、冷静で客観的な描き方が見やすくとても面白かった。

物語が進むにつれ主人公への嫌悪感がじわじわと増していくが、それでも初め前髪ばかりを気にしてい
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レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

4.8

何故か寓話的な物語かと思っていたが、事実に基づいたフィクションで、ヒュー・グラスさんと彼の身に起こった出来事が実在したとはつゆ知らず、観ている間中ずっと衝撃の連続だった。
一体どうやって撮影したのかと
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フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024年製作の映画)

4.2

アポロ11号月面着陸の映像は本物なのか捏造された偽物なのか?という本筋に辿り着くまでは一体何の話なのかとなかなか入り込めずにいたが、物語は小気味よく進んでいき、サクッと明るい気持ちで観られたのが良かっ>>続きを読む

陪審員2番(2024年製作の映画)

5.0

自らも関係があるかもしれない事件の陪審員に選ばれた男性と、出世のため何としてでも有罪判決に持ち込みたい検察官の女性。
それぞれに正義感を持つふたりの視線や思惑が交差し行き着く先を目撃して、打ちのめされ
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ザ・バイクライダーズ(2023年製作の映画)

4.7

主人公について妻が語り、それをカメラに収めるフォトグラファーの目線に重ねながら物語を追う、という構成は初めて見た。
主人公であるベニーは口数が少なく、現在の彼がどうなっているのか明かされないまま進んで
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グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

4.7

20年以上前の作品の続編を、また自分で撮るリドリー・スコットってすごい。
一作目ほどの興奮はなかったものの、大迫力の映像やあの世界観を大きなスクリーンで観られたことが嬉しい。

リドリー・スコットが描
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DOG DAYS 君といつまでも(2024年製作の映画)

-

愛犬と過ごす時間のこの上ない幸せを改めて噛み締め、きっと彼らはこの先も一生ずっとそれぞれの飼い主のことを支えていくのだろうと思うと涙が止まらず。

強引な話運びや読める展開はあるものの、犬と人間たちの
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グラディエーター(2000年製作の映画)

4.9

初めは、嫌な時代だなぁ…と一歩引いて眺めていた気がするが、終わってみれば大興奮で映画館をあとにしていた。勢いそのままに帰りに買った新作のムビチケの特典は、大当たりを引き当ててさらに公開が待ち遠しくなっ>>続きを読む

シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

4.9

映画を観て、怖すぎて泣いたのは初めて。どれだけでも悲惨で陰鬱に描けそうな題材だが、ロードムービーの趣もあり、内容とは不釣り合いな愉快な音楽のおかげもあり見ていられたのかもしれない。アメリカの風景に、主>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

-

なかなか家では観る気になれず、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』公開前の再上映で鑑賞。周りの観た人が口を揃えて、鬱とかしばらく立ち直れないとか言うのを聞いていたのでかなり身構えて観に行った。
始まりから
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

4.7

倍速再生なんてもってのほか、一瞬でも集中力を切らすともう話についていけなくなるくらいの進行、何度か巻き戻しをすることになったがめちゃくちゃ面白かった。

物語の中の物語。
今読んでいる最中のポール・オ
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夏目アラタの結婚(2024年製作の映画)

3.4

冒頭から不穏な撮影に引き込まれ、緊迫感と期待が高まる。死体を直接的に描いているところも意外で肝を冷やした。
だからこそ、見せ場となる死刑囚と夏目アラタの面会シーンを始めにあまりにも主人公のモノローグが
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幸せの答え合わせ(2019年製作の映画)

4.2

この映画の静かなトーンがとても好きだった。イギリスの海辺の町に、エドワードとグレース夫婦が暮らす家、その息子であるジェイミーが一人暮らしをしているフラットなど、眺めているだけで心が落ち着く。

そんな
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レディ・バード(2017年製作の映画)

4.7

きっと誰もが過ごしたことのあるあの時の切り取り方に、眩しいような恥ずかしいような、戻りたいような絶対に戻りたくないような、不思議な気持ちになった。でも、最後まで観て、全てが愛おしく思う。

こんなとこ
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フォールガイ(2024年製作の映画)

4.1

思いがけず、映画への愛着がさらに深まるような作品だった。
正直、メインにあるコルトとジョディの恋愛模様は退屈に思えたが、映画制作に真っ直ぐなジョディとそんな彼女に一途な思いを寄せるコルト。監督とスタン
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ツイスターズ(2024年製作の映画)

4.9

人間を脅かす自然の脅威、ともすれば現実感がなさすぎて入り込めなかったり、ストーリーに無理がありすぎると感じてしまったりしそうなところ、現実への落とし込み方が見事だった。
ポスターやトレイラーからは予想
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墓泥棒と失われた女神(2023年製作の映画)

4.8

アリーチェ・ロルヴァケルのつくる幻想的な世界と、そこに存在するジョシュ・オコナー、両者の唯一無二の魅力に心洗われる。

イタリアの田舎町に懐かしさと鬱屈した気持ちを覚え、夜の海辺でのシーンは磯の香りが
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.6

予想以上の気分の悪さ、登場人物全員が嫌な人間で反吐が出るがこれこそが人間だと妙に納得。
期待していたヒエラルキーの逆転も、思いも寄らない方向へ進み、状況によって立場などいとも簡単に崩れてしまうことを思
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SCRAPPER/スクラッパー(2023年製作の映画)

4.3

娘と父とのほっこり良いお話、では決してないけれど、ほとんど初めて会った親子がよく似ていてなんだかんだ波長もぴったり合ってしまうところに癒された。

母親を亡くしひとり暮らしをする12歳の女の子と、若く
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フェラーリ(2023年製作の映画)

4.4

歴史映画を観ているかのような重厚な味わいがありつつ、現実社会で感じる嫌な気分を思い出すような描写も多くなかなかのストレスもあった。

車に詳しくなくとも知っている「フェラーリ」を創り上げたエンツォ・フ
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幸福なラザロ(2018年製作の映画)

4.7

田舎の風景が何故だかとても懐かしく感じられて、一気に引き込まれた。途中、ラザロが雨に打たれるシーンなど、子どもの頃外で遊んでいて急に雨が降ってきた時に感じたのと同じ、雨の匂いや冷たさ、大きな雨粒の感触>>続きを読む

EMMA エマ(2020年製作の映画)

4.5

ジェイン・オースティンの原作は未読ながら、彼女の小説のあの世界観がそのまま広がっているようでワクワクする。
登場人物の把握に時間がかかってしまったが、それぞれの個性の強さやエマとハリエットの友情、プロ
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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

4.8

人は見かけや言動だけでは想像がつかない様々なものを抱えて、冷たくて時に温かくもあるこの世界で生きている。

全寮制の名門高校で教鞭を執るポール・ハナム、生徒のアンガス・タリー、学食の料理長を務めるメア
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チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

5.0

かなり期待して観に行ったけれど、信じられないくらい面白かった。
自分の好きな映画は、寂しさや切なさを感じたり、不快感や絶望感に包まれたりするものが多いが、ここまで笑えて気分が良くなる、全編通してただた
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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.4

最後まで観て、前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』がたまらなく観たくなるという点で、この上ない前日譚だったと思う。

幼少期も含め、若きフュリオサの壮絶な物語。フュリオサや彼女の母親がかっこよす
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