九月さんの映画レビュー・感想・評価

九月

九月

ウィキッド ふたりの魔女(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

前半、少し退屈さを感じ、あ…やっぱり現実味のないミュージカル映画は苦手かも…と思いかけたがグリンダとエルファバの掛け合いにかなり見入った。
とにかくシンシア・エリヴォの登場シーンと歌唱に心奪われっぱな
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教皇選挙(2024年製作の映画)

5.0

好みな上、めちゃくちゃ面白かった。映画を観たという満足感でいっぱい。重厚な音楽や映像、冒頭から一気に緊張感に包まれながら緩急もあり、自分にはあまり馴染みのないはずのコンクラーベの行方を固唾を呑んで見守>>続きを読む

プライドと偏見(2005年製作の映画)

4.6

最初から最後までこんなに面白い小説があるのかと驚いたジェイン・オースティンの『高慢と偏見』が原作なので内容はもちろん好きだが、サクセッションのトムと違って全然笑わない愛想が良くないマシュー・マクファデ>>続きを読む

ブルータリスト(2024年製作の映画)

4.9

思っていた感じとは全然違い驚き。今までに見たことのないような前衛的というか挑戦的というか、少し変わった映画のつくりもすごく面白かった。
目を引くずば抜けたショットの数々、映像や音楽の壮大さとは裏腹に、
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名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN(2024年製作の映画)

4.8

映画の中の物語の流れに身を任せて、見ながらそこらへんを漂っているみたいでとても心地よい映画体験だった。ボブ・ディランにあまり馴染みはなく知っている曲も「風に吹かれて」くらいで、劇中自分が感情移入できる>>続きを読む

ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

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確かに面白かったし、中盤特にかなり笑ってしまったし、怒号や罵声が飛び交う高ストレスな状況が続く展開も楽しんだ。オープニングからしてアノーラを応援したい気持ちが高まり、パワフルな彼女の魅力に惹かれたのだ>>続きを読む

リアル・ペイン〜心の旅〜(2024年製作の映画)

5.0

あまりにも良くてもうすでに二回観た。一緒に外国へ旅をしているような気持ちにもなれて、ストーリーもかなり織り込まれた映画だと感じた。

有名なショパンの旋律とともに、空港で行き交う人々の中、ひとり時間を
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

4.3

タイトルがとても良い。
伝えたいこと、そして家族への別れを口にするため12年ぶりに帰郷するルイだが、思うようにはいかない。
家族ってかけがえのないものなのに、どうしてこんなに厄介で難しいのだろう。
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白鳥(2023年製作の映画)

5.0

子どもの頃大好きだった絵本の読み聞かせ、ワクワクした気持ちと、物語そのものだけでなく大人に読んでもらうということ自体にどこか救われていたのかもしれないということを思い出した。
明るい話では決してないが
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マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)(2017年製作の映画)

4.6

家族の複雑さに頭を悩ませ、振り回されている最中のマシューが「妻にはうんざりだ、新しい家族が欲しいよ」と溢していたが、存在が当たり前になると煩わしくなることもあるというのに、それでもいて欲しいと思うのは>>続きを読む

アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方(2024年製作の映画)

4.8

もっと一方的であからさまに批判的な作品かと思っていたが、冷静で客観的な描き方が見やすくとても面白かった。

物語が進むにつれ主人公への嫌悪感がじわじわと増していくが、それでも初め前髪ばかりを気にしてい
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レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

4.8

何故か寓話的な物語かと思っていたが、事実に基づいたフィクションで、ヒュー・グラスさんと彼の身に起こった出来事が実在したとはつゆ知らず、観ている間中ずっと衝撃の連続だった。
一体どうやって撮影したのかと
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フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024年製作の映画)

4.2

アポロ11号月面着陸の映像は本物なのか捏造された偽物なのか?という本筋に辿り着くまでは一体何の話なのかとなかなか入り込めずにいたが、物語は小気味よく進んでいき、サクッと明るい気持ちで観られたのが良かっ>>続きを読む

陪審員2番(2024年製作の映画)

5.0

自らも関係があるかもしれない事件の陪審員に選ばれた男性と、出世のため何としてでも有罪判決に持ち込みたい検察官の女性。
それぞれに正義感を持つふたりの視線や思惑が交差し行き着く先を目撃して、打ちのめされ
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ザ・バイクライダーズ(2023年製作の映画)

4.7

主人公について妻が語り、それをカメラに収めるフォトグラファーの目線に重ねながら物語を追う、という構成は初めて見た。
主人公であるベニーは口数が少なく、現在の彼がどうなっているのか明かされないまま進んで
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グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

4.7

20年以上前の作品の続編を、また自分で撮るリドリー・スコットってすごい。
一作目ほどの興奮はなかったものの、大迫力の映像やあの世界観を大きなスクリーンで観られたことが嬉しい。

リドリー・スコットが描
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DOG DAYS 君といつまでも(2024年製作の映画)

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愛犬と過ごす時間のこの上ない幸せを改めて噛み締め、きっと彼らはこの先も一生ずっとそれぞれの飼い主のことを支えていくのだろうと思うと涙が止まらず。

強引な話運びや読める展開はあるものの、犬と人間たちの
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グラディエーター(2000年製作の映画)

4.9

初めは、嫌な時代だなぁ…と一歩引いて眺めていた気がするが、終わってみれば大興奮で映画館をあとにしていた。勢いそのままに帰りに買った新作のムビチケの特典は、大当たりを引き当ててさらに公開が待ち遠しくなっ>>続きを読む

シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

4.9

映画を観て、怖すぎて泣いたのは初めて。どれだけでも悲惨で陰鬱に描けそうな題材だが、ロードムービーの趣もあり、内容とは不釣り合いな愉快な音楽のおかげもあり見ていられたのかもしれない。アメリカの風景に、主>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

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なかなか家では観る気になれず、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』公開前の再上映で鑑賞。周りの観た人が口を揃えて、鬱とかしばらく立ち直れないとか言うのを聞いていたのでかなり身構えて観に行った。
始まりから
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

4.7

倍速再生なんてもってのほか、一瞬でも集中力を切らすともう話についていけなくなるくらいの進行、何度か巻き戻しをすることになったがめちゃくちゃ面白かった。

物語の中の物語。
今読んでいる最中のポール・オ
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夏目アラタの結婚(2024年製作の映画)

3.4

冒頭から不穏な撮影に引き込まれ、緊迫感と期待が高まる。死体を直接的に描いているところも意外で肝を冷やした。
だからこそ、見せ場となる死刑囚と夏目アラタの面会シーンを始めにあまりにも主人公のモノローグが
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幸せの答え合わせ(2019年製作の映画)

4.2

この映画の静かなトーンがとても好きだった。イギリスの海辺の町に、エドワードとグレース夫婦が暮らす家、その息子であるジェイミーが一人暮らしをしているフラットなど、眺めているだけで心が落ち着く。

そんな
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レディ・バード(2017年製作の映画)

4.7

きっと誰もが過ごしたことのあるあの時の切り取り方に、眩しいような恥ずかしいような、戻りたいような絶対に戻りたくないような、不思議な気持ちになった。でも、最後まで観て、全てが愛おしく思う。

こんなとこ
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フォールガイ(2024年製作の映画)

4.1

思いがけず、映画への愛着がさらに深まるような作品だった。
正直、メインにあるコルトとジョディの恋愛模様は退屈に思えたが、映画制作に真っ直ぐなジョディとそんな彼女に一途な思いを寄せるコルト。監督とスタン
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ツイスターズ(2024年製作の映画)

4.9

人間を脅かす自然の脅威、ともすれば現実感がなさすぎて入り込めなかったり、ストーリーに無理がありすぎると感じてしまったりしそうなところ、現実への落とし込み方が見事だった。
ポスターやトレイラーからは予想
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墓泥棒と失われた女神(2023年製作の映画)

4.8

アリーチェ・ロルヴァケルのつくる幻想的な世界と、そこに存在するジョシュ・オコナー、両者の唯一無二の魅力に心洗われる。

イタリアの田舎町に懐かしさと鬱屈した気持ちを覚え、夜の海辺でのシーンは磯の香りが
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.6

予想以上の気分の悪さ、登場人物全員が嫌な人間で反吐が出るがこれこそが人間だと妙に納得。
期待していたヒエラルキーの逆転も、思いも寄らない方向へ進み、状況によって立場などいとも簡単に崩れてしまうことを思
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SCRAPPER/スクラッパー(2023年製作の映画)

4.3

娘と父とのほっこり良いお話、では決してないけれど、ほとんど初めて会った親子がよく似ていてなんだかんだ波長もぴったり合ってしまうところに癒された。

母親を亡くしひとり暮らしをする12歳の女の子と、若く
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