ペジオ

SKIN/スキンのペジオのレビュー・感想・評価

SKIN/スキン(2019年製作の映画)
3.6
僕という人間の一番外側 他人から見れば僕という人間の全て

「差別主義者に対する差別」を内包した「差別は良くない論」にまだ出会えていないのだよな
レトリックの様で、案外重要な要素なんじゃないんすか?
「差別される辛さは同じだろ?」という思いもある一方で、自業自得だし因果応報だから仕方ねえよと思う自分もいる
おそらく「感情論」で差別を否定しても根絶はできないんだろう(「非生産的だから」みたいなシステマティックな論理の方が結果は出せると思う。)

本作の前に撮られた短編も含めて、「タトゥー」に込められたアイディアの豊富さが良い

短編は「人種差別」というテーマを寓話的に描いた無駄の無い傑作だったが、本作は伝記映画のアプローチなので先述のテーマは思ったより鳴りを潜めている印象(伝記映画とは「こういう人がいた」という「他人の人生」の映画だ。故にそこに普遍性を見出すのは時として危険。「こういう人もいる」ぐらいに思っておかなければ。)
どちらかと言えば「暴力が支配する世界からの脱出」というテーマで普遍性を持った作り(愛する女に出会って生き方を変える…ここに根本的なレイシズムに対する疑問は無かったように思う。)

ヴェラ・ファーミガ演じるママが魅力的
魅力的である事が怖い
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