なすび

返校 言葉が消えた日のなすびのレビュー・感想・評価

返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)
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2019年台湾で流行った映画らしい。台湾Netflixでは配信されてるのに、日本はドラマバージョンあるくせに映画は配信されてないってどないなことやねん!と思ったら、今年上映されるのか。二年越し😭

台湾の歴史×ホラーゲームという組み合わせがまず斬新で面白いなぁと思う。二二八事件、白色テロ、戒厳令などの台湾のほんとの歴史がホラーどころじゃなく怖すぎるもん。。。でも悪夢という言葉がまさにぴったりなのかもしれない。

先日『次の夜明けに』という小説を読んだ。その中に二二八事件のとき新聞社に勤めてたおじさんが出てきます。このおじさんはある日出勤すると、自分以外の同僚が全員捕まり、家に帰ってから全く口を聞かなくなりました。それから死ぬまで彼は何も話さず、下の処理もできず、ほとんど植物状態でした。周りの人はおじさんの頭がおかしくなってしまったのだと思いました。
しかし、おじさんの死後あることをきっかけに息子たちはおじさんの書いた手記を見つけてしまいます。そこには、おじさんが同僚の名前を売り、自分だけ助かるようにしたのだということが書かれていました。その報いとしておじさんは何も語らず、自分の人生を投げ出し、頭がおかしくなったふりをすることに決めたらしいのです。息子たちは、様々な思いを抱えます。しかしおじさんの妻は、「生きていればそれだけでいい」という考えも持っていました。

この映画を見てこの話を思い出しました。もちろん、密告して自分だけ助かろうとするのはひどいことです。でも、それでもこのおじさんのように自分の家族だけを救おうとしたその心が理解できないわけでもありません。本当に悪いのは、密告した人でもなく、そんなふうに自由を奪う政治や社会です。台湾は特にこの自由を最近苦労して勝ち取ったからこそ、その背景にはたくさんの血が流れているからこそ、今ある自由が当たり前のものではなく、先人たちの努力のおかげなのだとよく理解していると思います。


美術の先生高橋一生みたいだった😳こんな先生いたら、恋しちゃうゥ///
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