アクセルガツキー

返校 言葉が消えた日のアクセルガツキーのレビュー・感想・評価

返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)
4.1
すごい。…どうなってるんだ、台湾は。
台湾戒厳令時代の消されそうな記憶とそこにある潜在的な不安と、国家の歴史と個人の関係がくっきりと描かれている。
潜在的な不安と消されそうな記憶だから、ホラーという形式とぴったりと合う。正直、全然怖くない。それは恐怖ではなく社会を描こうとしているから。甘いラブストーリーは個人を描こうとしているから。そして、だからエンターテインメントとして成立する。
これがゲーム由来だというから、アジアの電脳社会は侮れない。それ以上にホラーという形式の可能性を教えられた気がします。『スパイの妻』だってある種のホラーだ。
ホラーにしかできないことは、絶対にある。ホラーってこんなことができるんだ。

なんというか新世代。新しい感性。
こんな新世代が生まれる台湾のことを羨ましく思う。