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きみの瞳(め)が問いかけているのEPATAYのレビュー・感想・評価

4.2
横浜流星かっこいいなー。
同じ名前なのにこの格差は何でしょう。世の中は不平等ですね。

恥ずかしいことに僕は『ただ君だけ』は観たことがなく、どんな作品なのかも知らなかったので全くのフラットな状態で今作を鑑賞しました。(鑑賞後にはちゃんとリメイク元も観ましたよ)

そしたら良い意味で裏切られましたね。予習していかなくてむしろ良かったです。

正直、観る前は「はいはい、またいつもの障害や病気を抱える女性が不幸になることによって、腐っていた健常者の男性が頑張って再起して感動させるやつね」と思っていました。

まあ感動させようとしている面もないとはいえないですが、僕が思っていたような人の不幸を美談にして感動させようとする露悪的なものではありませんでした。

僕が邪推していた部分を丁寧につぶしていってくれていましたね。まあでもここは原案の『ただ君だけ』の功績ではあるのかな。

本作鑑賞後に『ただ君だけ』を鑑賞して比較したところ、この三木監督ver.はより心情を丁寧に描いている印象を受けました。詳しくはネタバレあり部分で話しますが、これによって今作の持つ光と闇の対比がより強調されています。

『ただ君だけ』は光の方が少し強い印象でしたので、上手くバランスをとった形になりますね。

また、闇の部分が強くなったことで、「罪を許す」ということがより重くのしかかってきます。

けど、闇の部分が強すぎるとそれはそれで作品がぶれてしまうので、あえて外連味を加えてフィクション感を強めに、光の部分はドキュメンタリーチックにしてリアルな日常感を強める。

そしてその光と闇が合流したときに......っていう構造なわけですけど、このバランスがめちゃめちゃに巧い。

また、『ただ君だけ』ではさらっとでてきた要素を膨らまし、さらに島崎藤村の「椰子の実」を付け加えることでラストの解釈の余地がグッと広がるものになっています。

だから、三木監督お見事!としか言いようがない。大胆なアレンジはしなくても、今に合わせてしっかりアップデートができるということを示す素晴らしい作品なのではないでしょうか。

あと、アクションシーンすごいです。

横浜流星さんやばいっす。ハリウッドのアクション映画出てくれないかな。『ジョン・ウィック』とかにでてほしい。

それくらい超ワクワクドキドキしました。


あ、あとやべきょうすけさんがすごく良かった。個人的この人がいるだけで映画が面白くなる俳優の一人です。
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