シュカ

プリズン・サークルのシュカのレビュー・感想・評価

プリズン・サークル(2019年製作の映画)
5.0
「暴力の連鎖を止めたいと願うすべての人へ」。
ずっと釘付けの2時間半。TC内での場面だけでなく、出所後の対話の風景も。出所後の集まりでとある人が、TCは特別な「そういうところ」であって、外界はそうじゃないから…という語りにあらゆる既視感を感じつつ、はっきりと表面化させていることが逆に新鮮なような気がした。目を背けたくなるような、受刑者たちの幼少期にまつわる描写などもあり、覚悟して見た。
自分ごとに置き換えて矮小化してしまいたくはないのだけど、あえて個人的に思ったことを書くならば「暴力に魅せられる、暴力を学び取る」という話がすごく腑に落ちた。少し身に覚えがあって、わたしも家族や恋愛のような関係において傷つけられた軽いトラウマのような経験を、一時は忌み嫌い抜いたはずなのに、その効力を身を持って知ってしまっているから、気づかぬうちに、他者への支配の方法として使ってしまっていたりする。最近それに気づくことが多い。
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