プリズン・サークルの作品情報・感想・評価

プリズン・サークル2019年製作の映画)

上映日:2020年01月25日

製作国:

上映時間:136分

あらすじ

監督

「プリズン・サークル」に投稿された感想・評価

ミノジ

ミノジの感想・評価

4.0
受刑者同士の対話をベースに犯罪の原因を探り、更生を促す「TC (Therapeutic Community) =回復共同体)」というプログラムを日本で唯一導入している刑務所での、若者4人の2年間を追いかけたドキュメント「プリズン・サークル」
本当に観て良かったです。
受刑者でなくとも、安心、安全に自分の気持ちを言える場所、相手、何人いるだろうか、何人にそう思ってもらえているだろうか。犯罪に走ることはもちろんいけないが、困難や悲しみが多い人生を歩んでいる人に限って、そんな場は少ないのだと思う。
物語を作るという活動で、ある受刑者が作った物語が非常に胸に刺さった。物語る、話す、聴く。同じような罪を持った痛みを持った受刑者、支援員がいて、やっと共に向き合うことができる自分の罪、自分の輪郭。
罪を犯した人も同じ人間である。こんな当たり前な事に気づけない程、この国は加害者、取り分け服役してる人間の処遇が酷い。
どうして事件の当事者になってしまったのか、その背景を掘り下げる事なく進む社会はいつか大きなツケを払ってしまうのかもしれない。
被害者・加害者、両方に寄り添える社会になる事が人類の進歩の先になるのかなと考えた。
書籍を読んだ後の鑑賞となったのですが、両方それぞれからしか得られない物があるので、どちらもおススメします。
yu

yuの感想・評価

3.9
本人たちの語り中心で、不意に文学的。笑
ここまで深い教育をするのかと感心しつつ、受刑者同士でないとあんな踏み込んだロールプレイ難しいだろうなぁと感じた。
観れてよかった。
平龍寺

平龍寺の感想・評価

4.0
これからもネット配信はしないのだろう。負のスパイラル。やっぱりもう人生の始まりからして終わってるというか、なんとなくあなたたちも分かってたことが羅列されていく。
スクリーンを眺めていると、写っている彼らが「犯罪者」「前科者」であることを忘れる。
彼らが向き合い苦しんでいる対象は、「犯罪者」「前科者」でない人間にとっても同じであるといえるからだ。

同じタイトルで監督によって書かれた書籍もおすすめしたい作品。
映像ではインタビュー対象たちをじっくり追い、彼らの様子や心境の変化に触れることができる。
書籍では背景や知識の補填がされ、よりいっそう自分ごととして受け止めるきっかけになる。
たけ

たけの感想・評価

3.3
上映当初はホーム劇場での公開がなくて見送ってましたが、キネカ大森で上映されましたので鑑賞。
良かったです。
なぜこんな映画を撮ろうと思ったのか監督に聞きたいくらいです。
このような活動が少しづつではあるけど、世の中を変えていくんだろうな。この活動を支援する人皆さんに敬意しかありません。
おすすめの作品です。
myaico

myaicoの感想・評価

-
子供の頃の家庭環境を人は選べない。TC(回復共同体)というプログラムを通じて、他人に自分の境遇を共有することを学び、初めて自分自身と向き合う姿を見ながら、今までの彼らの人生をじっくり想像してしまった。少しづつでいいから人と話す機会が増えていくといいなと思ったし、TCがもっともっとたくさんの人たちに提供されて欲しいと思った。
ようじ

ようじの感想・評価

3.7
罪を犯してない僕らでさえも”自分と向き合う”事が難しいある中で。自分が犯した罪、思い出したくない過去までをも人に話をして自分が何をしたのか客観視する事は人にとってとても必要な事なのだと思う。なぜ、自分が罪を犯したのか、それが分かれば何かが変わる人もいるかもしれない。でも、人はそう簡単に変われない、だから再犯する人は多いのだと思う。このTC教育は犯罪者に限らず学校の教育にも取り入れてもいーのではとも僕は思う。自分の過去を話す事で新たな自分が見えるのではないのだろうか。
で

での感想・評価

-
受刑者が創作したお話が才すぎて衝撃だった 人生の背景を追ってくなかでのそれだったからなおさら
むぅ

むぅの感想・評価

-
あぁ、頭の中で手紙を書いてみたらいいのか

"怒り"の感情が苦手だ。
いや、正確に言うならば"怒りを言語化"するのが苦手だ。
もちろん日々の生活で、ムッとしたり、イラッとしたり、カチンとする。ムッとやイラッとは自浄作用が働くけれど。
20代前半の頃、どうして激しい怒りを感じると涙が出るんだろうと自分が嫌だった。
喜びであったり、悲しみ、心配、嫉妬、その他たくさんの感情は自分の中で観察・整理・見直して言語化するという流れが少しは出来るのに、怒りになった途端にその流れが全てストップする。

何がきっかけでそれに気付けたのかは正直覚えていない。
でも、その怒りを一度脳内で手紙にしてみると私なりにスムーズに"言語化"出来る事が増えた。
例え脳内であっても"書く"というのは私の中で身近な手段なのだ。
それと同時に、言葉には敏感な方だからこそ、相手を傷つけようと思ったら凄まじい威力を持つ言葉を選べてしまう事も知ったような気がする。


舞台は刑務所
でも刑務所についての映画ではない。
そこで生きる人たちの、それまでの物語と、これからの物語を描く。
彼らが犯してしまった罪、そこに至るまでの思いを紐解いていく。

言語化することの出来ない"負"の記憶は、自らを傷つけたり他者を傷つけたりすること。自覚されず言語化されない被害は、時に加害へと連鎖していくということが映し出されていく。

取材許可が下りるまで6年、撮影に2年、それを含め公開までに10年を要したドキュメンタリー。

舞台の島根あさひ社会復帰促進センターは、官民協働の新しい刑務所。
受刑者同士の対話をベースに犯罪の原因を探り、更生を促す「TC(Therapeutic Community = 回復共同体)」というプログラムを日本で唯一導入している。

そのTCを通して、なぜ自分は今ここにいるのか、いかにして償うのか?彼らが向き合うのは、犯した罪だけではない。幼い頃に経験した貧困、いじめ、差別などの記憶。痛み、悲しみ、恥辱や怒りといった感情。そして、それらを表現する言葉を獲得していく。

自分に嘘をついたり、気持ちを無意識に加工してしまった事の経験のない人っているのだろうか。

TCを通して、彼らは自分の奥底に埋めてしまった言えなかった言葉や辛い記憶を少しずつ手に取り"言語化"していく。辛い作業だ。
そして、自分から出てきた言葉に驚き苦しみながらも、自分の言葉で話す。そして相手の言葉を聴く。
スクリーン越しに、最初は"無"だった彼らの声や仕草、言葉が色付いていくように感じる。モザイクのかかったその表情でさえも。

「更生」とは何か?
その真意を問うドキュメンタリー


▼パンフレットより。
【TC】
Therapeutic Communityの略。
「治療共同体」と訳されることが多いが、日本語の「治療」は、医療的かつ固定した役割(医者ー患者、治療者ー被治療者)の印象が強いため、映画では「回復共同体」の訳語を当てたり、そのままTCと呼んだりしている。
英国の精神病院で始まり、1960年代以降、米国や欧州各地に広まった。TCでは、依存症などの問題を症状と捉え、問題を抱える当事者の治療を主体とする。コミュニティ(共同体)が相互に影響を与え合い、新たな価値観や生き方を身につけること(リハビリテーション)によって、人間的成長を促す場とアプローチ。

【島根あさひ社会復帰促進センター】
2000年代後半に開設された4つの「PFI(Private Finance Invitative)刑務所」の一つで、犯罪傾向の進んでいない男子受刑者2000名を対象としている。
施設環境全体を回復、更生への手段とみなし、生活全体を学びの場とする「回復(治療)共同体」、犯罪行為に繋がる思考や感情、その背景にある価値観や構えをターゲットとして、効果的に変化を促進する「認知行動療法」、社会の一員であることを意識し、加害行為の責任を引き受ける力を養う「修復的司法」の考え方を教育の3つの柱にすえ、受刑者の犯罪行動の変化や社会的態度の変化を目指す。
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