びーち

雨月物語のびーちのレビュー・感想・評価

雨月物語(1953年製作の映画)
4.1
陶工を兼ねる農民が、欲望の果て、妖しい美女に誑かされ、やがて堕ちていく。だが、考えようによっては、美女と豪奢な暮らしという得難い体験をしたのだから、悪い話ではないだろう。ファンタジーでホラーの要素も含まれているが、怪奇ロマンと呼ぶのが最も相応しいと思う。説話や伝奇は欧米にも数多くあると思うが、この種の幽玄で耽美な物語は中国や日本特有のものではないだろうか。欧米で評価が高い理由はそこにあると思う。この時代の日本映画の美術、特に大映の美術部は素晴らしい仕事をしている。
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