マーくんパパ

ブロードウェイと銃弾のマーくんパパのネタバレレビュー・内容・結末

ブロードウェイと銃弾(1994年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

今回もアレンの才能を堪能させてくれる嬉し楽しおもしろ映画。自身を投影したような自信過剰な劇作家デビッドが完成した戯曲を売り込み、マフィアのボスが女優になることをせがむ愛人を主役で使うことを条件に出資する。配役決定から本読み〜リハ開始となるがド素人素質ゼロわがまま娘の愛人とその付き添い用心棒、プライド高い盛りの過ぎた往年女優、過食症の男優、ペット同伴脇役女優と難癖揃いで演出進行に四苦八苦するデビッド。この辺りの演出家苦難あるあるは多分アレン実体験ネタの宝庫、面白くない訳がない。相手の口を押さえ“わかってる、わかってる、何も言うな”は色んな意味に使えて笑える、上手い。そして外野の観客用心棒チーチが台本に横ヤリ入れ出し、それが悉く的を得た指摘で作家の原型台無しになりながら評価はうなぎ上り、気を良くしたチーチはもっと最高の舞台にするには能無し親分の愛人を舞台から降ろすことだと勝手に始末する。没頭すると全てに優先するアーティスト本能の伝播、その反動で自らも開演中に銃弾に倒れるがそれさえ舞台効果を増す結果に…。隅々まで計算し尽くされたアレン脚本&演出に珠玉の時間味わえました。