ツクヨミ

夏時間のツクヨミのレビュー・感想・評価

夏時間(2019年製作の映画)
4.2
家族と過ごす何気ない夏休み。
父子家庭の一家は住んでいたアパートを引き払い、夏休みを父の実家で過ごすことになるが…
韓国発何気ないひと夏の日々を描く家族ドラマ作品。今作は暑い夏休みを背景に家族の関わりを丁寧に描いていて、ゆっくりした世界観にどっぷり浸かることができました。何気ない家族との食事や、兄弟間のイタズラや遊びなど懐かしい感覚を覚えます。
しかし本質は一人娘のオグジュの思春期の繊細な心の動きだと感じました。長らく会っていなかったおじいちゃんとの微妙な距離感、確執がある母親との関係、具合が悪いおじいちゃんの処遇に対する憤り、そんな微妙な感情をほとんど表情で表す演技が素晴らしかった。思春期の女の子はいろんな感情が駆け巡っている、そんな心は脆く崩れやすい。ラストの泣くシーンはいろんな感情が入り混じり感情移入してじわりと涙が流れます。
全体を通して家族の微妙な関係性を繊細に表現していたと思います。"はちどり"とは似ていますが、家族のいろんな視点で描いていたので違った印象を受けました。
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