デヒ

夏時間のデヒのレビュー・感想・評価

夏時間(2019年製作の映画)
5.0
子供の頃の郷愁を誘う、親しみながらもぎこちない、愛に満ちたその空間。

夏休みの設定。蒸し暑い真夏の日、一緒に座って果物を食べる。咲きの笑いの花。季節設定がとてもよかった。

ロケーションが仁川なんだ。中区の中華街がある所。
仁川生まれで仁川育ちの私は祖父母と一緒で6人家族だったが中学校の時に引っ越しして行った。近辺に引っ越ししたので毎週週末には祖父母の家に遊びに行った。映画の中に見慣れたところがたくさん出て恋しくなった。
家の中にあったラジオ、ソファーに座って歌を聞いていたおじいさん、食卓を囲んで食べていたそう麺、名節の時にみんなで集まった場で披露した特技自慢大会、庭で育てたトマトと唐辛子、時々取り出して見ていた家族アルバム…。 本当に幸せだった記憶。 しかし、今は遠い思い出になってしまったのだろうか。
高校生の時、お祖父さんとお祖母さんに「大学生になったら運転免許を取って、お祖母さんとお連れして旅行します! そして、毎週の週末におばあさんの家で寝ます!」と約束、おばあさん、おじいさんも大喜びでしたが、そんな私は夢を追って日本に来るようになり、そのように2年間韓国に行けずにいる。
二人とも80歳を過ぎ、健康上の問題で入院も度々された。 生死を行き来していた時期も。 私は一度もそばを守れなかった。 本当に苦しくて涙を流すだけだ。
時々する通話、少しでも顔を見て会話ができるから嬉しけれどそれもつかの間。電話を切るとやってくる寂しさと悲しみ。
映画は経験したことがあるような想いを作ってくれながらも、幼い日の夢のような夢幻的な童話のようだ。 オクジュに私を投影しながら映画を見た。幸せだった思い出を思い浮かべながら本当にたくさん笑って、泣いた。
本当にありがたい映画。この映画に出会えたことに感謝。
あ、家族に会いたい。
デヒ

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