GORANSHIN

ヴィタリナのGORANSHINのレビュー・感想・評価

ヴィタリナ(2019年製作の映画)
4.0
ペドロ•コスタ 観たの何年ぶりだろう。廃墟のような家屋に、昼でも小さな窓穴から差し込む光のみの照明とわずかな壁の反射で照らされたコントラストの激しい画はやっぱり強烈な印象。映画は光と影と音で出来てるんだよなぁとプリミティブな感覚を呼び起こしてくれる。
誰が誰でここがどこでいつのシーンなのか分からなくなりそうになるが、段々分かってくると突然挟まれる別時間軸のシーンがフラッシュバックのように鮮明に感じられる。
それらは昼でも暗い(人物が見分けられないほどに)大半の本編時間軸と対称的に明るく、過去の光として捉えられている。

徹底したストイックな映像技法に目と耳が奪われるけれど、それでいて登場人物や民族•土地の歴史や悲しみが伝わってくるのだから映画表現の理想というかあるべき形の一つかもしれない。

ベントゥーラを見たの自分はコロッサル•ユース以来なのだけど、あの手の震えは多分芝居じゃないよな…
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