…"辛味は、味覚ではなく痛覚"…
突然亡くなった父の葬儀で初めて出会う三人の異母姉妹…本来であればいがみあってもおかしくないはずなのに、何処か境遇が似ている三人…母は違えど父は同じ…少しずつそれぞれの境遇と知らない父の話を聞くうちに、三姉妹の絆は深まり…
香港、台北、重慶でそれぞれ育った三人の異母姉妹それぞれが持つ家族への蟠りを父の火鍋の秘密を軸に、その蟠りをゆっくり溶かしていく優しい物語…
居なくなって初めて分かってくる自分の気持ち…私としては長女ユーシューの気持ちが痛いほど良く分かる…中々泣く事が出来なかった彼女の父への想いが爆発したラストに号泣…父の笑顔も心なしかオープニングと違うような…
お父さん、ズルいなって思います。
三人の娘への愛情は分かりますが、三人の母、つまりは三人の妻がいる訳で、どういう理由かは分かりませんが、妻と子おのおのを傷つけてきた事は確実であって、それは変える事は出来ない事実…その分、過ちを犯した人に優しいのですね…
"人は誰しも過ちを犯す…そして、許してくれる人を待っている…"
予想外に心に刺さったセリフでした。
自分の事…そして自分の家族の事を強く思い出させる…要所要所で現れるお父さん…ほんとズルい…あ〜良い作品でした…
