つき

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のつきのレビュー・感想・評価

5.0
結局、2D、IMAX、MX4D、4DXを含めて12回観ました。それぞれに良さがあって、4Dに至っては完全に別次元。4Dの「強制昏倒催眠の囁き」術をくらった感じがリアルで強烈。没入感がすごかった。4DXのドカスカした感じとMX4Dの繊細さを足して2倍にしてくれないかな…


アニメファンの家族が執拗に勧めてくるのでだいぶ遅れて視聴。子どもに過酷な運命を背負わせる設定がどうも苦手だなぁと食わず嫌いしていた。それでも事前に3周するほどファンになってしまった。満を持して劇場版を鑑賞。

26話からなる『炭治郎 立志編』から、劇場版への繋げ方がものすごくよかった。無限列車に3人が乗り込むシーンの何とも言えない胸がざわざわする感じ。リアルタイム勢はさぞ待ち焦がれたことだろう。
魘夢がめちゃくちゃ好みなんだけど、背景を描かれず退場させられて不憫。「十二鬼月・下弦の壱。他人の不幸や苦しみを見ることを悦としており、夢を操る強力な血鬼術を使用する」この設定がいい…!!生まれながらのサイコパス設定なのかな。(帰宅後、煉獄零巻を読んでなるほど)
それにしても炎柱煉獄杏寿郎のとてつもない精神力の強さ、優しさ、全てが尊い。アニメの時はこの不思議キャラ、なんで目を合わせないだろう??って思ってた。たった一夜の出来事なのに炭治郎と煉獄さんの心の距離が縮まってくるのがグッときた。

唐突に登場する猗窩座は石田彰様!あー様!!!やばすぎるテンションがおかしくなった!本当にいい声!!たまらん!!!キャスティングしてくださった方、本気でありがとうございます。石田彰さんの振り切れたキャラを愛してる!!!

社会現象にまでなってしまった鬼滅の刃。倫理やそれぞれの役割や生まれてきた理由とは。当初感じていた、子どもにそんな役割を担わせるのか?この時代に男とか長男とか??という疑問が無くなったわけではないけど、どんなに誘われても鬼にならないと宣言して死んでいった煉獄さんは立派に役割を果たした。人としての正しい生き方や、いつの時代にも普遍的な何を求めて生きるのかを考えさせる作品ではないかと思う。そこが幅広い世代に受けている理由なのかなぁとも感じる。
ある方が「命を賭して守られた命の使い道」と書かれていて、あぁ本当にそうだよね。炭治郎や伊之助、善逸が自分たちの不甲斐なさに涙を流して、強くなりたいと願ったあのラストは心に残った。原作とのディテールの違いを挙げていくのも楽しい。この先、どういう展開になるのかわからないけど期待が止まらない。(個人的にはアニメ→映画→アニメ→映画であってほしいけど)

いい意味で全てがアニメ的。水の呼吸は歌川国芳っぽい。アニメならではの表現と、実写映画とはまた違ったおもしろさがある。もっと早く観ればよかったねー。
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