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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のryucoのレビュー・感想・評価

2.5
事前にアニメ1期のみ視聴。

全体的に単調というかメリハリがなかったように感じる。
個人的には今年一番面白くなかった映画である。

具体的には、
まず、CMや前評価から、「煉獄さんがメインでかっこいい」というイメージが強かったが、かっこよさをそれほど感じなかった点。
前半大部分の魘夢との闘いでは、炭治郎は煉獄さんと共闘することもなく、ほぼ出番なし。
その後、ポッと出感満載の猗窩座(魘夢との闘いの様子を見に来て、煉獄さんと力比べしたいだけ風のテンション)に殺される。

まだ魘夢に殺されるとか、
猗窩座が乗客に手を出そうとして、それを守るために殺されるとか(炭治郎に手を出そうとする描写が一応あった?)、
もう少し動機やエピソードが乗るとよかったかなと感じる。

ちなみに、個人的に煉獄さんが一番かっこいいと感じたのは、
「俺は5両やるから、君たちは鬼をやれ」という、管理職(指導役)として一番効率的かつ後輩に花を持たせる素晴らしい判断をした点である。

あと、クライマックスで、逃げる猗窩座に対して炭治郎が「逃げるなよ卑怯者!」と絶叫するシーン、興醒めである。
何故、そういうことをこのタイミングで言うのか。

また、伊之助について、
1期を観て、伊之助の自由奔放で奇特なキャラに惹かれていた(自分勝手だが最終的に炭治郎(本筋)の利益になる結果をもたらす)が、
今回、魘夢と闘うシーンで、素直に炭治郎の言うことを聞いて共闘していたのは個人的にガッカリである。
(炭治郎が非常に大人な対応をしていたというのもあるが)

以上がレビューだが、
おそらく映画用にコミックを脚色して作ったわけではなく、
コミックに忠実に、あくまで物語の途中を切り取っただけかと思うので、
映画としてはこの完成度でも仕方がないかなと思う。

メインキャラクターである善逸の出番も少ないし、
これから上弦の鬼が次々出てきて、物語が後半に入っていくイメージはできた。
なので、コミックを全部読んだ人が、煉獄さんの思い出として観る映画であり、
全くの初見、もしくはアニメの続きで観る人には向かない映画に感じた。

と同時に、コミックの断片を切り取っても、一編にきちんとオチがあって、1つの物語として完成している、ワンピースの偉大さを改めて実感した。

最後に、猗窩座は何百年生きて、行き着いたファッションが、あれか。
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