本作を観るにあたっては原作漫画は全巻読んで
TVアニメまでは観ていない状態の予習で臨む形に。
原作漫画自体は非常に楽しく読んだという感想。
で本作だが画はめちゃくちゃ綺麗だし
迫力ある戦闘シーンは圧巻だし
何より300億円の男こと煉獄さんはとてもカッコよかった。
最後には生前の遺影も流れて本当に豪勢なお葬式という感じ。
タイトル通り原作のうちの1エピソードを劇場版化したものであり
完全なる一見さんお断り仕様となっているがこれは大正解。
これに前後余計な説明を加えられるとやっぱり冗長になる。
この仕様は数あるシリーズものでは
散々あるスタイルだからこれ自体に一切不満はない。
ただねえ、映画として何より辛かったのは音楽。
どんなシーンでも何か音楽を流してないと死んでしまうのか
とにかくやかましい。
音楽流れなかったのは最後の故人からの挨拶シーンくらいでは?
もう一つは本作に限った話じゃないけども
週刊連載漫画を映画化する上での最大のネック
物語を再構成するかそのまま再現するか問題。
本作は完全な原作再現に近い手法をとっているが
週刊連載漫画である以上毎週戦うコマがあるので
それを一本の映画にした時にずーっと戦っていることになり
見せ場が非常に散漫になっていると感じる。
印象として90分ずーっと戦って30分ずーっと泣いてる感じで
メリハリが全くない。
これは好みの問題だけど原作の良い点って
えげつない展開や熱いドラマをテンポよくさらっと描いてる所。
これは漫画という媒体だからこそできることなんだけど
アニメという形になった時に+映像+音楽で
異常にエモーショナルにするのってすごく冷める。
壮大な音楽かけたり絶叫演技を繰り返しすぎ。
もう少しアニメだからできる「画」の力を信じることはできないのかと
非常に勿体なく感じる瞬間が多々ある。