ABBAッキオ

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のABBAッキオのレビュー・感想・評価

4.0
 IMAX平日夜の回で視聴。8割程度の入り。評判通り、作画、声優、音楽、すべて高いレベルの作品。前半3分の2程度が下弦の壱、魘夢との戦いで、炭治郎が主役となる。壱の魘夢が慎重な性格で、敵を完全に制圧してから人を喰らおうとしたために結局誰も死なせずに済んだが、鬼殺隊はかなり劣勢で魘夢がその気になっていればかなりの犠牲者が出ていたと思われる。前半の見せ場は夢の世界に留まりたい気持ちを振り切る炭治郎の切ない思い。「炭治郎の歌」が流れる。
 最後の三分の一は突如現れた上弦の参、猗窩座と炎柱、煉獄杏寿郎との一騎打ち。圧倒的な敵との戦いはバトルものの見慣れた姿だが、早い動きの作画が見せ所。命を賭して猗窩座を追い払った煉獄が死を前にして語る言葉は分かっていても涙を誘う。
 アニメ神回と言われる19回の激しい戦闘シーンと回想シーンを2時間映画用に強化したような内容だから、IMAXのような特殊効果音の中で見る価値ありのアニメだろう。令和最初のアニメのヒット大作となった鬼滅の刃。ジャンプ映画のバトルもの、友情ものの王道を辿りつつ、主人公のモノローグや敵側の気持ちに寄り添うことで厚みを増している。コロナ時代で競合が少ないことが大ヒットの要因とは思うが、このクォリティの作品が人気を博すことは良いことと思う。
ABBAッキオ

ABBAッキオ