Shelby

ラーヤと龍の王国のShelbyのレビュー・感想・評価

ラーヤと龍の王国(2020年製作の映画)
4.7
なんてこった、この作品大好きだ。

昨日遂に、ディズニー+に加入し今作を見ることが出来た。モアナ辺りから感じていたが、自然や背景に力を入れすぎでは?初っ端の映像美でぐっと心を掴まれるのはディズニー作品ならでは。比較的サクサクと進んでいくストーリー。
しかし、すぐに今作の違和感に気づく。

従来のディズニー映画の主人公たちはあることに共通していた。寧ろディズニー作品の根幹として大事にされ続け、ディズニーが最も伝えたい部分。

それは
「信じる心の大切さ」

ラーヤは、そういった意味でも今までのディズニー作品の根底を覆す作品になっている。
何しろ主人公ラーヤ自身が希望を持てず、人を信頼する事を辞めてしまっているのだから。

個性溢れる仲間が増えていき、龍のシスーがどんなに人を信じろと伝えても、ラーヤは頑なに心を開くことができない。本来であれば情に厚い性格にも関わらず、裏切られる辛さ・苦しみを知ってしまったがあまり、心から信じることが出来なくなってしまっている。誰にだって一つや二つ思い当たる出来事があるだろう。終始観ていてずっと辛かったのは、信じたくても信じられないラーヤの心の葛藤が手に取るように分かったからだ。

「まずは、自分が最初の一歩を踏み出す勇気を」
どんなに裏切られても、どんなに踏みつけられても、ひとりぼっちでは世界は変えられない。
信じる勇気を。
そして、その一歩を踏み出す勇気を。

そんな子供たちへのメッセージが込められた作品だったように感じた。
なんて素敵なメッセージだろう。普遍的でありながら、シンプル且つ大人になるにつれて信じることが困難に思えてくる。

本当なら大人も子供も関係ないはずなのにね。
少し凝り固まった頭が解されたように思えた。

話題になっていなかったのが嘘のような名作。
文句なしでオススメしたいディズニー作品のひとつとなった。
Shelby

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