T太郎

ジャッリカットゥ 牛の怒りのT太郎のレビュー・感想・評価

3.7
725
インド映画だ。

なるほど~

意外と評価が高くて期待して観始めたのだが、中盤まで私の頭の中は「?」「なぜ?」「ホワイ?」、疑問符だらけだったのだ。

しかし、後半から俄然面白くなっていく。
ラストはまさしく地獄絵図だ。
これは好きな人は好きな映画だと言える。

インドの、おそらく少数民族の村が舞台だ。
教会があり、人々はキリスト教徒なのだ。
ヒンドゥー教徒ではないし、ヒンディー語でもない。

そんな村の精肉屋から一頭の水牛が逃げ出し、村は大騒動になる。
鋭い角を持つ狂暴な牛なのだ。

村の男たちが総出でこの牛の捕獲作戦に乗り出す、という物語だ。

まず、戸惑うのが、登場人物の見分けがつかない事だ。
牛の捕獲以外のサイドエピソードがちょいちょい挟まれ、観客を混乱させる。

婚約式や教会の話など、無くてもいいと思われるエピソードが多々あるのだ。

最後まで観た私から、至高のアドバイスをさせていただくとすれば、3人の登場人物さえ認識できれば問題なくストーリーを理解できるだろう。

一人は精肉屋を営むヴァルキ。
ヴァルキの助手アントニ。
前科者でカリスマ的人気のあるのクッタッチャン。

回想場面もあるのでややこしいが、この3人の見分けがつけば、比較的ストーリーは追いやすいだろう。

意外性に満ちた作品だ。
当初、ドキュメンタリータッチな見せ方をしながら、後半はエンタメ的な撮り方をしている。
ドローン撮影かと思われる空撮場面もあるのだ。

最前も述べたが、ラストシーンが凄まじい。
狂気のピラミッドだ。

水牛よりも人間の方が恐ろしいと感じた次第である。
T太郎

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