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戦争と女の顔のYKのレビュー・感想・評価

戦争と女の顔(2019年製作の映画)
4.0
終戦後の2人の女性を通し、これまで語られることのなかった戦争の「女の面」を描いていく。これもある意味「この世界の片隅に」だ。女性の物語ではあるが、戦後ソ連社会での「男性」もしっかり描かれており、監督が1991年生まれ(の男性)ということを知って驚いた。

本作の一番の見どころは、赤と緑で構成された色彩。衣装から美術まですべて赤と緑をアクセントとして使っており、ビジュアルとして美しい。そのうえ、補色関係であるこの2色は、なにやら意味ありげな表現でもある。赤と緑、それぞれの意味ははっきりとは分からないが、なんとなく赤は「過去」「内から来るもの」で、緑は「未来」「外から来るもの」という感じがある。この2つのイメージが、混ざり合ったり、あるいは転換したりすることで、メタ的にも特に印象的なシーンが描かれていく。
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