スマトラトラ

聖なる犯罪者のスマトラトラのレビュー・感想・評価

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)
3.5
あっという間の2時間だった。けど、物凄く難しい映画でもあったかな。難しいし、終わった後も観客に問いかける様な問題を残しているのに、気づけば映画が終ってる。時間が経つのが早い。

 私は宗教の事はよく知らない。けど、犯罪歴のある人が神学校に入れないのは意外で、びっくりした。少年院とか刑務所に聖職者が説教に訪れる事は知っていたから。 昔の武士の話とかだとさ、人殺した事を悔いて仏門に入る的な話を聞くけどさ、今じゃ無理なのかな?それともキリスト教だけなのかな?
 犯罪歴がある人が逆に取り締まる警察になることは出来ないとかだったらまだわかるんだけど、説教を聞いて、真摯に反省して、神に仕えたいと思った元犯罪者は神に仕えることが出来ないのね。罪を償え、人を憎むな、隣人を愛せよそういう宗教の筈なのに、何故排他的になってしまうのだろう? 敬虔なる信徒であり続けよって事なのかな。
 なんか切ないね。 決してての届かない所にいる神に近づきたくても近づく事すら許してくれないのだもの。なら、刑務所・少年院での説教も止めればいいのにって思ってしまった。

 主人公の役者さんの演技力が凄かったなぁとも思ったね。目の色素が薄いからかな。瞳が雄弁と言うのは変かもしれないけど、目が凄かった。

 人を赦す事は、難しいなぁってしみじみ思いながら観てたよ。明日憎んでいた父の1周忌。まだ赦せないよ。何時か許せる日がくるのだろうか・・・なんかいいタイミングで観れたなぁ。